【食べる科学実験】電気肉は本当に旨くなっているのか!? 人工知能搭載味覚センサー出動! 第2回(全3回)

鶏胸肉に電流を流すとおいしくなるらしい?  インチキ科学か、食の革命か? その真偽を調べるため、人工知能搭載の味覚センサーで電気肉を分析! すると驚くべき結果が出た!

川口友万| Photo by Masahiko Taniguchi , Tomokazu Kawaguchi,Kagakujikken sakaba|シリーズ:食べる科学実験

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科学者もビックリ、驚きの結果が!

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通電したマグロを細かく切って、レオくんで分析する【写真:川口友万】

 ではレオくんに電気肉を分析してもら……あ、食べてみたいですか? 鶏肉以外に、一応、マグロもあるんですけどね。マグロなら刺身で。切るものありますか?

「包丁? ないなあ。ハサミなら」

 ハサミ? 洗えば大丈夫でしょう、洗えば。電気を通すと殺菌もできるらしいですし。
 ジョキジョキとハサミでマグロを切る。研究室でそういうことをやると、とても食べ物を扱っている感じではない。

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マグロの冊が放電中。いわば電気魚肉である【写真:川口友万】

 半分に切ったマグロに電気を流す。

「わあ、すごい!」

 でしょう? 光る刺身ですよ。

 通電したマグロと元のマグロを食べ比べる。鈴木氏はパクッと躊躇なく刺身を口に入れ、すぐに叫んだ。

「ああ、違いますね! これ、わかりやすいなあ! こんなに味が違いますか! 全然違いますよ、めっちゃうまいじゃないですか!」
 
 電気肉チャレンジ! 味の専門家もひと口でわかる、この違い。

 さっそくレオに分析させる。肉片を試験管に入れ、酵素の溶液をかける。分析は10分ほどだ。果たして結果は?

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にゅーと伸びたのがセンサーで、いわばレオくんの舌だ【写真:川口友万】

「……差が出ました! うま味で0.36の差が出ています。0.2が重要な壁なんですよ。0.03や0.04ぐらいは同じサンプルでも場所でそれぐらいの差は出ますし、0.1でも有意差があるとはいえない。やはり0.2以上の違いがないと味が違うとは言えない。そういう意味では、0.36の差は、明らかに味が違いますね」

 マグロは、うま味成分が3.06から3.42に、鶏胸肉は3.1から3.31に上昇した。

 電気によってスーパーの肉の味がおいしくなったのだ。恐るべき電気の力!

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マグロの分析結果。五味のうち、うま味だけが大幅にアップ。他はほぼ変わらなかった。なお、有意差=0.20ポイント以上(95%の人が違いがわかる水準)・傾向=0.10ポイント以上(60%の人が違いがわかる水準)である(データは株式会社AISSYより)

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マグロほどではないが、鶏肉もうま味がアップ。こちらも他は変わらず(データは株式会社AISSYより)

 さっそくデータをアップしたら、皆神氏から返事が来た。

>まだ信じていない

 なに~! レオくんに謝れ!

>美味しくなったと言える根拠がはっきりしないから信じてはいないというだけで、美味しくなどなっていないなどとは一度も言ってないもん。 

 ぐぬぬ。よし、わかった! では会いに行こう! 電気肉を論文発表した麻布大学の坂田先生に、電気肉の秘密を伺いに!

取材・文 川口 友万

【第3回につづく 更新予定1月18日】

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