【月刊ムー編集長 三上丈晴 VS と学会重鎮 皆神龍太郎】 最終回「ムーはオカルトではない、哲学である」 (全3回)
どっぷり理系のオカルティスト対談も最終回。月刊ムー編集長の三上丈晴氏とトンデモ本を批判的に楽しむ団体「と学会」の皆神龍太郎氏のビッグ対談!
スポンサーリンクどっかに逃げ道を作らないといけない
皆神:三上さん、ムーの編集長の後って、どうするの? 編集長かなり長いですよね。後継の編集長も難しいと思うよ。
三上さんみたいに、ムーの編集長になるべくして生まれてきた人間は滅多にいないから。
学研も「こいつをよそに出したらムー2世みたいな雑誌を創ってもっと売れるかもしれないから危ない」とか思って、きっと外にも出せないんじゃないの。
三上:冷や汗出てくるよ。
皆神:だいたいね、2世は難しいよ。政治家とオカルティストは2世は難しい。ユリ・ゲラー2世とかね。売れないよ。
三上:売れてないって別に超能力で売ってないし。たしか、ユリの子供って、弁護士でしょ?
皆神:一時期スプーン曲げてたよ。お父さんに教えてもらって
三上:そりゃ息子も娘も曲げてたけど、今は弁護士だよ、たしか。
皆神:超能力2世で売れた人いないよね。クロワゼット2世っていうのもいたけど。
【対談した店】
『フロム・ロンドン・カフェ』
東京都 目黒区目黒本町4-3-14 コレクションハウスビル
ロンドン直輸入のアンティークに囲まれたシックな店。2階ではバー『TARUHO』が日替わりイベントを開催中。本サイトも関係する『科学実験酒場』は日曜日のみ開催。写真は名物の『スペアリブ』
【写真:谷口雅彦】
三上:ロンバードは2世だよ。
皆神:そうなの?
三上:母ちゃんが1世。
皆神:ま、超能力はなかなか遺伝しないって感じだね。
三上:仮に能力があったとしても。
皆神:仮にっていうあたりが好きだね。オカルト雑誌の編集者でありながら「仮に」って言っちゃうあたりが。
三上:どっかに逃げ道を作らないといけない(笑)。ツッコまれたときにさ。サラリーマンだから。研究者じゃない、一介のサラリーマンですから……。
オカルト雑誌(失礼、哲学雑誌でしたね)の編集長である三上氏と、疑似科学をこてんぱんに笑いのめすと学会で活躍する皆神氏は、立場からすれば犬猿の仲であってもおかしくない。が、2人は非常に相性がいい。
それはきっと科学とオカルトを、同じ地平に置けるだけの度量と教養を同じくするからだろう。
今回の対談では割愛したが、民俗学の裏話や数学の話など面白い話がまだまだあった。いずれ機会を設けて、第2弾、第3弾の対談を行いたいと思う。2人が漂泊の旅に出る前に。
取材・文 川口 友万
【了】