【食べる科学実験】第1回 電気肉、NHKの『ガッテン!』でガッテンされる(全3回)

電気肉、電気肉と騒いでいたら、4月27日、NHKの『ガッテン!』で紹介されることに! その顛末を紹介する。

川口友万| Photo by Taniguchi Masahiko,Tomokazu Kawaguchi|シリーズ:食べる科学実験

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スタジオでキルリアンする電気肉

ガッテン
中央の水槽(特注である)には塩水が入っている。水槽が巨大な電極になるのだ
【写真:川口友万】

 電気が通るものに高電圧をかけると、周囲から放電する。その様子からコロナ放電と呼ばれている。その様子を撮影したらキルリアン写真だ。花も光るし、寿司だって、伊勢えびだって光る。

 かつてはオーラ写真だと言われた。光が生物を取り囲めば、そりゃオーラだと思うだろう。スタートからして、いかがわしいのだ。わかってしまえば、ただの放電なのだが、怪しいバッググラウンドのある写真技法なのだ。

 科学実験酒場では客向けの出し物として、生肉に1万5000ボルトをかけて放電させ、その電気で光った肉を食べさせている。面白いから光らせているだけで、実際には30Vあれば十分だ。

 なお電圧は高くても電流値は極めて低いので、感電しても、やたら痛い以外に問題はない。肉もバリバリと光るだけで、まったく熱くならない。

 渋谷のNHKへ行く。キルリアン写真にはいくつか撮影方法があるが、私は大型水槽に塩水を入れ、それを電極として被写体を光らせている。

 だからキルリアン写真を撮るとなると、水槽と高電圧を発生させるネオントランス、電圧を調整するスライダックを持って行かなければならない。これが重いのだ。

 カラのスタジオでセッティング。いつもとやり方は変わらない。用意された鶏肉を受け取り、放電させる。

ガッテン
絶賛発光中の鶏肉。さすがNHK、キレイに撮れていた
【写真:川口友万】

「こういうことか」

 カメラマンがモニターを覗きながら言う。

 そういうことです。実物を見ないと、肉が放電して光るといっても何のことだが、まったくわからないのだ。

 キルリアン写真を再現して、かれこれ5年。2年前に出した写真集『オーラ!? 不思議なキルリアン写真の世界』がまるで売れず、世間に拗ねた。

 だって光るサバ寿司を撮ったんだぜ? 寿司の光り物が光ったら面白いってだけだけど、でも世界初だから。クールジャパンだから。

 スニーカーだろうがメガネだろうが、光るのだ。CGで描くようなインチキじゃなく、本当に光る、このインパクト。

 クライアントがついて、キルリアン景気だ、ウハウハだと目論んでいたが、誰からも電話がかかって来なかった。かかって来たのは担当編集者からで、

「社長室に呼び出されて絞られましたよ」

 結局、キルリアン写真なんてキワモノに手を出して、我々は朽ちていくのだなと思っていたのだけれど。

 まさか電気肉からキルリアン写真が世に出ることになるとは思いもしなかった。

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