食べ比べは意外な結果に！

（これ～？　食べるの？）

　缶コーヒーご飯は、ホントにおいしそうに見えなくて。奥田先生、ホントにおいしかったんですか？　何か致命的なミスをされていませんか？

　え～い、ままよ！　パクッ……。ん？　……パクパク。お？　おおっ？

　新しい味覚の地平線がここに！　イケるんじゃないの？　甘い、たしかに甘い、だがコーヒーの香りがそれを補い、新しいタイプのお菓子なんじゃないか？　少なくともコーヒーはご飯と合うんじゃないか？

　なんてことだ。コーヒーでご飯炊いたら、もしかしたらおいしいかも？　もち米で炊いたら、新型赤飯？　赤くないけど。

　人は見かけが9割だが、ご飯は味が9割である。おいしいは正義だ！　次行くぞ、オロナミンC！　異様に黄色いが気にするな、問題は味だ！

　パクッ、うおおお！　なんだ、これは！　食えるか！

　ふざけんな、なんだ、このケミカルな甘さは！　おっと、そこで洗濯物を持っている嫁、これ食べてみて。

「甘い」

　だろ？

「お醤油かけたら？」

　なんて無責任な。くそ、しょうゆ入れたら食えるか？　もうヤケだな。

……漬物の汁がかかったご飯みたい。食えなくはないけど、すごいなあ、偉いなあ、お醤油。お醤油は日本人の心だ！

　完全に心が折れたまま、コーラ飯。パク……コーラの味。

　あのさあ、甘過ぎなんだよ。カラのカゴを持っている嫁、ちょっとこれ。どう？

「コーラ飴の味がする」

　甘過ぎだよな。

「お菓子って言って食べさせれば？」

　誰に？　まあいいや、最後のポカリはどうでしょうか。嫁、これはどう？

「?％＃＆＆＆!!!!!!」

　逃げた、逃げたよ、あの人。なんだよそれ。まったく……パク。

　バカにしてんのか！

　お前は俺にケンカを売っているのか、おお？　薬じゃねえか、こんなもん！　メーテルに機械の体をもらったら食ってやるよ！　人間はこういうものは食いません！

「美味しくないもの食べるって体に良くない」

　ごもっとも。マズい飯でハートがギザギザだぜ。やっぱりアルファ米は水で戻した方がいい、私はそのように結論して本論考を終わります。

取材・文　川口　友万

【了】