落合陽一の語る「サンジャポの重要性」 スプツニ子! は原点回帰を宣言
現代アートをリードする、落合陽一とスプツニ子!が熱く語る。 テクノロジーは現代アートをどこに導くか。
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アートに漫画やアニメは含まれるのか。スプツニ子!氏がMITメディアラボの採用試験の話からアートそのものカテゴリー話に花が咲く。
落合氏は漫画やアニメ、ゲームなどもともと大量製造できるものはアートに入れず、デザインやサブカルチャーとして扱ってきたが、21世紀には現実を認めて1度包み込む必要があると語る。
「テクノロジーがアートになるとか、枠組みの質問できるものをメディアアートとよぼうというのが僕のメディアアートの定義。定義がくるくるかわるカテゴリーを現実に残しておくと面白い」(落合)
森川氏がスプツニ子!氏の考えを聞き出す。
「先端テクノロジーが研究開発の空間からevery day、every lifeに入るスピードが速くなりすぎていて、メディアアートの空間自体がよくわかんなくなってきている」(スプツニ子!)
様々な分野を横断する気鋭のアーティストたちの作品製作のアプローチは全く異なる。
落合氏は新しい分野に挑戦するときには、その技術を会得したうえで作製する。大学院修士過程の1年目くらいのレベルからスタートして学び、おおよそ1年かけて理解を深める。
一方、MITメディアラボは完全に正反対でデザインを考え、実際にモノをつくるのは、リサーチして製作できる人を探して任せるのだという。
共通するのはランダムな情報の重要性。面白い研究をひらめく刺激として欠かすことはできない。落合氏の方法はスプツニ子!氏もうらやむ、圧倒的に特殊だ。
テレビ番組「サンデー・ジャポン(サンジャポ)」に爆笑問題やタレントで医師の西川史子などと出演することで、ランダムな刺激を仕入れている。
「不倫に対して俊足でコメントしたり、人間の遺伝子が3ギガバイトと言って西川先生にとめられたりする。爆笑問題さんと目で会話する瞬間とかに、人間はよくできていると思う」
こういった突飛な経験をフィードバックして作品づくりに生かすのが現代のアーティスト。
次回作への問に落合氏は「なにか強力なエネルギーをぶちかます」と宣言。
スプツニ子!氏は「構想は人には言えない。他に、Chinko Songのように途方もなく役に立たないものを10個つくりたい。最近は優等生ぶっちゃってたので」と笑ってトークセッションは幕を閉じた。
取材・文 山下 祐司
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