EU離脱は英・科学界に大打撃!! マイナスばかりで科学者らは警鐘をならす

欧州連合(EU)からの離脱というイギリス国民の決断に対し、イギリスの科学者らは同国のサイエンスが大きな遅れを取ると懸念を表明している。

岡真由美| Photo by Getty Images

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離脱のデメリットは英・科学界にも……【写真:Getty Images】

 イギリスの大学・科学担当大臣であるジョー・ジョンソン氏は6月28日、イギリスの生物学の研究と発展を目的とする「英国王立生物学会」の年次総会で科学者や実業界のリーダーらを前にスピーチを行い、イギリスの科学者たちが今後EUの科学開発プロジェクトから閉めだされる可能性があると訴えた。 大臣はイギリスのEU離脱には断固反対の姿勢を取ってきた人物だ。

 懸念しているのは欧州全体で2014年から2020年まで取り組まれる、革新的開発を促進するプログラム「ホライズン2020」への影響である。同プログラムは約800億ユーロの公的資金が投入され、イギリスの優秀な科学者らも参加しているが、EU離脱によって彼らがプロジェクトから外され、新たな企画への参加も認められない可能性があると大臣は警告している。

 たとえEUを離脱しても、イギリスからホライズン2000への69億ユーロの出資は予定通り行われ、プログラムにはこれまで通り参加すると大臣は主張している。

 6月27日付けのウォールストリート・ジャーナルによると、年々減少してきた英政府による科学分野への調査基金を補ってきたのが、EUからの基金だという。

 2009年から2013年にかけての科学分野の英国家予算は6.2%減ったが、EUからの基金は68%も増えた。

 イギリスのEU離脱の国民投票が近々の予算にただちに影響を与えることはないが、EU加盟国の科学者グループの間では、決定している予算についても「イギリス外し」を呼びかける動きが出始めているという。

 問題なのは金銭面だけではない。イギリスのケンブリッジ大学といえば世界に名だたる名門大学であり、物理学賞を受賞した原子物理学の父とも呼ばれるアーネスト・ラザフォード氏やブライアン・ジョセフソン氏など数多くのノーベル賞受賞者を輩出しているが、6月13日付けのBBCオンライン版によれば、同大の科学研究員の3分の1以上が海外出身者であり、23%はEU諸国出身だ。

 EU離脱、そして移民締め出しの声が高まれば、こうした優秀な人々は今後ケンブリッジやオックスフォードを選択しないかも知れない。

 著名な理論物理学スティーブン・ホーキング博士も5月31日にITVの「グッド・モーニング・ブリテン」のインタビューに応じ、「EU離脱はイギリスの科学界にとって最悪の事態だ」と述べている。

 その他、ノーベル物理学賞を受賞したピーター・ヒッグス博士、ノーベル生理学・医学賞を受賞したポール・ナース博士らイギリスを代表する科学者らも、科学の研究・発展にはEU離脱はマイナスでしかないと訴えている。

取材・文 岡 真由美

【了】

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