國府理さん3回忌 自然×人口の融合を試みた「國府理展 『オマージュ 相対温室』」開催
国際芸術センター青森で2014年、アーティスト國府理さんが亡くなった。展示作品の点検中の事故だった。展覧会は惜しまれつつ3日間で閉展した。
スポンサーリンク植物や土の質感、ディテールへのこだわりが、作品に近づくと見えてきた
――『相対温室』の、プランターの繋ぎ目にある缶やストローなど、細部の造形もユニークですよね?
「彼の作品はディテールの美しさまで、考えられて作られています。樋(とい)の一部は作り直しましたが、他はACACの時と同じものです」
――実際に稼働する(運転したり移動する作品もある)ことも機能美につながっている気がします。
「彼がアーティストとして表現する、自然と人工物との融合。それを突き詰めていくと、形の美があり、美しいものには機能があり意味があります」
――最後に、来場者に展示を見て感じてほしいこととは?
「ただ見て綺麗だ、と感じてほしい。人工と自然の融合といった理屈を抜きにして、彼の目指していたものを作品から察してください。
僕らも國府さんの持つ思想を思い、会場を作りました。展示の解釈を見て彼は『そうじゃない』というかもしれない。でも『國府さんなら、きっとこうするよね』と話しながら、会場を作っていったんです」
生前國府さんが魂を込めた作品が、彼を慕う仲間たちの手で息を吹き返した。『相対温室』のパラボラアンテナに点々と落ちる、水滴の音は脈打つバイタルサインのようだ。
展示は2016年5月9日(月)まで。耳を澄まし國府理の世界観に浸り、思いを馳せよう。
Gallery A4公式HP:http://www.a-quad.jp/index.html
取材・文 石水 典子
【了】
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