國府理さん3回忌 自然×人口の融合を試みた「國府理展 『オマージュ 相対温室』」開催

国際芸術センター青森で2014年、アーティスト國府理さんが亡くなった。展示作品の点検中の事故だった。展覧会は惜しまれつつ3日間で閉展した。

石水典子| Photo by Noriko Ishimizu

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國府理の思想を再現する

國府理
Gallery A4 館長の川北英さん
【撮影:石水典子】

 人工のものに、木や水といった自然現象を組み合わせる。自動車や自転車、パラボラアンテナ、プロペラなど、工業製品を素材として扱う作品は独自の造形美を持ち “KOKUFU MOBILE”と呼ばれる。

“人工”と“自然”を対比するではなく、共存した関係性を作品の大きなテーマとして持ち続けていた國府理さん。

 2016年春に3回忌を迎える國府理さんを偲び、東京・東陽町にあるGallery A4(ギャラリー エー クワッド)では「國府理展 『オマージュ 相対温室』」が開催されている。

 本展は作者の事故によって途中閉展してしまった、「國府理展 相対温室」の展示内容の再現だ。

 Gallery A4の川北館長に作品を鑑賞しながら、当時の思い出や個展開催に至った思いを聞いた。

――青森国際芸術センター(以下 ACAC)の展示の再現には、どんな思いがあったのでしょうか?

「私は2年前にACACで事故があったとき、知らせを聞いて青森へ飛んで行きました。展覧会は3日後で閉展。あまりにももったいないと思ったんです。

 なんとか復元展示をしたい。それで3回忌に開催を定め、準備をしていきました」

――以前の展示を再現するとしても、大型の作品の組み立てや、植物を使う作品もあります。作家不在でどのように展示したんですか?

「会場のスペースの違いもあるため、作家の意志に沿う形で再現することにしました。作品の材料はご遺族に全て提供していただきました。

 ACACで携わっていたテクニカルスタッフと、彼と一緒に活動していたアーティストたちに設営を手伝ってもらい、『彼ならこうするだろう』と想像しながら会場を構成しました。

 國府さんのこだわりで面白いのは、展示場所から材料を調達することです。『相対温室』で使われている土、水、石は青森で調達したものを使っていました。

 私たちもこの敷地内にある土や雑草を使っています。ものとしての再現、思想としての再現を試みたんです」

――展示作品はどのように選んだのですか?

「ACACで展示されていてメインテーマを表す作品でもある『相対温室』と『自動車冷蔵庫』、ACACでは展示できなかった『Typical Biosphere』、國府さんの思想がよく表れている『Mobile Garden』を選び展示しました」

國府理
『相対温室』【撮影:石水典子】

――『相対温室』は、水槽を載せた鉄塔が立ち、水槽からは木製のプランターが段々に下降するように並べられ、その中央にある樋(とい)を伝って流れた水がパラボラアンテナに落ちる作品ですね。

 思っていた以上に大きく感じ、インパクトがあります。この作品には全経4mのパラボラアンテナを使っていますが、独特のフォルムをしていますよね?

「本来なら人工の電波を集めるパラボラアンテナに、自然の水を入れるという発想で生まれた作品です。

『自動車冷蔵庫』は、車の中でエアーコンプレッサーを動かせば冷蔵庫になるかもしれない、という転換の発想でできたもの。工業製品の機能性を突き詰めた無駄のない形の美を、別の機能を持つ作品に使っています」

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