「ICCオープン・スペース2016」 テーマは“メディア・コンシャス”

2016年5月28日(土)から、NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]で、「オープン・スペース2016 メディア・コンシャス」が開催されている。

石水典子| Photo by ICC,Noriko Ishimizu

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11回目の開催となる、今展のテーマは「メディア・コンシャス」

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鏡やスクリーン、プロジェクターなどを使った映像インスタレーション/津田道子《あなたは、翌日私に会いにそこに戻ってくるでしょう。》2012年 撮影:山本糾 (c) Michiko Tsuda Courtesy of TARO NASU(参考図版)【提供:ICC】

 1997年にオープンして以来、日本におけるメディア・アートの発信拠点として、機能してきたICC。「オープン・スペース」は、ICCがメディア・アートや先端テクノロジーを介した作品を無料公開している常設展で、毎年大幅に入れ替えが行われる。

 メディア・アートの代表作や先端技術を使った作品、研究施設での取り組みが、理解を助ける解説とともに幅広い観客に向け、分かりやすく展示されている。

 メディアを社会的な認識とは違った捉え方で表現する、もしくは新しい価値を提示するといった、“メディア・アートの性質”に焦点をあてたという今回の展示。ICC主任学芸員の畠中実氏にインタビューを行った。

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映像の人物と液晶モニタで被写体の映っていない部分を直接ペイントすることで、映像中の人物が2.5次元のように浮かび上がる/エキソニモ《Body Paint – 40inch/Male/White》2014年(参考図版)【提供:ICC】

――サブテーマを付けたことはあっても、展覧会のタイトルを付けたのは、今回初なのだそうですね。「メディア・コンシャス」と付けたのは、なぜですか?

「これまでは何か特定のテーマにフォーカスするというより、メディア・テクノロジーを使った表現における、さまざまな傾向と要素を紹介していくというベクトルでした。

 今展では、展覧会の出品作品全体を一つのテーマからとらえていくことで、メディア・アートの特徴や性質といった要素を提示できればということで付けたタイトルです」

――時代背景によって、メディア・アートの方向性は変わるのでしょうか?

「たとえば60~70年代のメディア・アートは、テクノロジーによってテクノロジーを批判するという側面がありました。わかりやすいものとしては、コンピュータに対するアンチテーゼとして、無意味なことに奉仕させる、などの作品がありました。

 このとき時代背景にあったのが、人間がテクノロジーに取って替わられるという危機感です。今でいえばシンギュラリティなどがそうでしょう。

 今では身近にテクノロジーがあふれ、対立的なものという意識は薄くなっている時代です。テクノロジーを単に批判するのではなく、そのメディアの潜在能力を引き出したり、新しい意味や価値を生み出すということが、今テーマの指す“メディア・コンシャス”です。

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展示は、グラスに入った水に浮かぶ縫い針が、「地磁気」の作用でときおり繊細な音をたてるサウンド・インスタレーション/赤松音呂《チジキンクツ》2013-15年【提供:ICC】

 たとえば《チジキンクツ》という作品は、電磁石という技術のとらえ方を意識的に変えて、作品として昇華している。ある種の発明みたいなものです」

――近年のメディア・アートの傾向とは?

「現在、インターネットの無い生活は考えられないけれど、けっしてネットの世界だけで完結するわけではなく、人同士のつながりを重視するとか。

 ディスプレイの中の映像やデジタル表現にとどまらず、3Dプリンターのように、形として外在化させたり、テクノロジー環境をベースにした新しい表現が現れていると思います」

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