【あぶない科学実験】脳みそをハッキングせよ! あなたを変えるマシン体験

1970年代にヒットしたメガブレインが帰ってきた! 脳波を特定の波長に誘導し、学習能力を向上させたり、やる気を出したりできる夢のマシンだ。

川口友万| Photo by Tomokazu Kawaguchi|シリーズ:あぶない科学実験

スポンサーリンク

光が脳をかき回す、ポケモンショックの秘密

危ない
本体とゴーグル、イヤホンから成る『カシーナ』。詳しくは販売代理店の八幡書店HPで。http://hachiman.com/books/89350-kasina.html
【写真:川口友万】

 うんざりだ! 私以外私じゃないのに、私は私が大嫌い! そんなどうしようもない、持て余し気味の人生にナポレオンヒル、じゃなかった、『カシーナ』!

 カシーナは、1980年代に一世を風靡した変性意識マシン(ブレインドラッグやシンクロエナジャイザーと呼ばれた)のひとつ、『メガブレイン』のリバイバルである。

 2005年に惜しくも発売休止となった同商品が、今回、デザインも性能もブラッシュアップ、『KASINA』(カシーナ)として再登場した。

 といっても、何のことやら。変性意識? 

 キーワードはアルファ波、悟りの脳波だ。瞑想のように、目を閉じているが頭は起きている半覚せい状態の時にアルファ波が出ることが良く知られている。

 アルファ波が出ていると、頭脳明晰、記憶力抜群、超能力も使えて時が見えたりもする……という噂だ。今までの自分を脱ぎすてて、本当の自分に変わるのよ、という具合のものである。

 ポケモンショックをご存じだろうか? 1997年12月16日、テレビ東京系で放映されていたアニメ『ポケットモンスター』を見ていた子供たちが発作を起こした事件だ。

 発作を起こした子供は全国で約750人、そのうち135人が入院したという。作中、戦闘シーンで光がストロボのように点滅するシーンがあった。子供たちはそれを見て発作を起こした。

 点滅する光に意識が誘導され、脳波に異常が起きて発作を起こす。これを光過敏性発作という。吐き気や頭痛、けいれんなどが起きる。

 特に子供は集中力があるため、起こりやすい。大人でも発症することがあり、最近はパチンコで当たった客が発作を起こした例も。

 光過敏性発作は明滅が9~15Hzで起きやすく、それより高くても低くても起きる頻度はずっと下がるらしい。つまり毎秒9~15回の点滅だ。

 脳波は0.5Hzから30Hzの範囲で発生しているが、周波数で大雑把に分けられている。9~15Hzはほぼアルファ波(8~12Hz)の周波数に当てはまる。

 ポケモンショックの原因は、光の明滅で脳が強制的にアルファ波状態に入ったために、体が混乱した結果らしいのだ。

 つまり人間は“ちょろい”。光だけで脳は操作できる。狙った脳波に誘導できるのだ。

1 2 3
俳句

PAGE TOP ↑