【食べる科学実験】ヘビは本当に効くのか? 精力ムキムキ伝説を調査(後編)

蛇は本当に効くのか? ごちゃごちゃ言わずに食べればわかると明治創業の蛇問屋で蛇を食べる! 蛇は効いたのか、効かなかったのか?

川口友万| Photo by Tomokazu Kawaguchi|シリーズ:食べる科学実験

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精力伝説の秘密はその生態にあり?

蛇後
ハブを捕まえ、頭をクリップで留める。これで噛めない
【写真撮影:川口友万(以下同)】

 イモリの黒焼きはよく惚れ薬と言われる。マムシも強壮強精。なぜかというと、これは爬虫類のペニスのせいなのだそうだ。

「蛇の場合、根元から二つに分かれてその先が二つに分かれています」

 2本! 2倍だ、2倍。

「普段はとても小さいんですが、大きくなると私の親指ぐらいになる。そして一回交尾を始めると1日2日くっついたままなんですよ」

 なるほど、そういうことか。そりゃ精力に効くと思っても仕方ない。

「イモリの場合はどこからか何百匹も集まってきて交尾する。だからイモリは他の異性を引き付けるということで惚れ薬になったんじゃないかと思いますね」

 商売柄、若社長は、扱う商品はひと通り飲んだり食べたりしている。本当に効くのか?

「蛇とスッポンは効きますよ」

 プラシーボじゃなくて?

「自分の家で作っているんでね、高校生ぐらいの時からちょこちょこなめてはいたんですよ。でも最初に飲んでみようと思ったのは上の子どもが生まれた時ですね。

 夜中にミルク作ったりあやしたりしてたら、目が疲れてヒクヒクし始めて、せっかく蛇売ってるんだから蛇の血でも飲んでみるか、とシマヘビの血を飲んだら一発ですよ」

蛇後
ハブを持って喜ぶ魔女。とはいえ毒蛇相手に、若干、腰が引けている

 シマヘビで効くの?

「蛇が精力剤というのは、元はマムシじゃなくてシマヘビだったんですよ」

 そうなんですか。

「元々は結核に効くと言われていまして。結核の特効薬として滋養強壮にはシマヘビだったんですね」

 マムシが評価されるようになったのは比較的最近のことだそうだ。マムシにはさまざまな効能があるが、特に骨には勃起作用があるという。

「蛇の胆のうは解熱作用と消咳、胃と心臓にも効きます。蛇の胆のうにも本物と偽物があって、本物の蛇の胆のうは甘いんです」

蛇後
調理開始。蛇の捌き方を教えてもらう

 蛇の胆のうの代用品はウサギの胆のうだそうだ。乾燥させたものをなめさせてもらったら、これが恐ろしく苦い。蛇の胆のうはというと、ホントだ、甘い。苦みはあるが、えらく甘い。

「マムシに限らず、蛇類の胆のうは甘いんです。これが効くんです。苦しい時に飲んで助かりましたという人がいっぱいいます。体調悪い時に飲むとわかりやすく効きます」

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