研究者よ 成果を事業化せよ! ホリエモンは積極的に「投資したい」
イノベーションを起こすNEXT WORLDに向かって乗り越えるべき障壁は。堀江貴文、山海嘉之、小笠原治によるトークセッション。
スポンサーリンク山海氏の成功はあくまで例外 研究成果の事業化に消極的な研究者たち
G7茨城・つくば科学技術大臣会合を記念して5月14日に開催されたJ-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2016。
「Iot・AR・ロボティクス・人工知能が作るNEXT WORLD」をテーマにホリエモンこと堀江貴文氏とサイバーダイン社長・山海嘉之氏、ABBALab代表取締役・小笠原治氏がトークを展開した。
筑波大学の教授でロボットスーツHALの開発したサイバーダイン社長の山海嘉之氏に、堀江貴文氏がロボットスーツの開発経緯を聞くところからトークはスタート。
HALは脳から出る信号をキャッチして、筋肉を動かすロボットスーツだ。山海氏がHALの基礎研究をはじめたのは1991年から。2004年にサイバーダインを起業し、2014年にマザーズに上場を果たした。
今年の4月からロボットスーツHALの医療用タイプは保険適用されることになった。
「人間の神経情報でロボットを動かすようにして、ロボットを人間の体の一部に仕上げることで、物理的なエントリーと情報的なエントリーをひとつにしようとここまできました」(山海氏)
脊髄性筋萎縮症(SMA)や筋萎縮性側索硬化症(ALS)など希少性の神経・筋難病疾患をもつ患者がロボットスーツHALを着用して、歩行する治験は2013年にはじまった。
この結果をもとに、サイバーダインは医療機器として製造販売の承認を取得するなど数々のステップを乗り越え、ロボットスーツHALは保険適用の承認を受けた。
「一番高いハードルじゃないですか」と感心しながら話す堀江氏に山海氏はこう答える。
「これをやらないと社会変革にならない。法律が薬事法から薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)になり、ここ数年、臨床研究にも大きな予算がつく時代に変わってきた。やる価値はあったと思います」
子どものころから、人や社会に貢献できることを考えていた山海氏の成功はあくまで例外。多くの研究者は志があっても研究成果の事業化に消極的で、製品にまでこぎつけるのは極めてまれだ。
ABBALabの代表取締役でDMM.make AKIBAの立役者としても有名な小笠原治氏は「意思があっても実行して繰り返す人がいないですよね。1回実行したら、昔やったことがあるで終わってしまう」と研究者の悪癖を指摘する。
堀江氏も電気自動車テスラ・モーターズの最高経営責任者であるイーロン・マスクが提唱した列車を時速1200㎞でチューブ内を走らせるハイパーループ構想を例に「研究者にこれを話すと昔からアイディアはあったけどできないと話す」と語り、小笠原氏も「(研究者は)できない話はすぐしますよね」と同意する。