「日本の伝統食こそ理想の食事」と称賛する、ある報告書に隠された不都合な真実!
我が国の文化が世界で認められるのは間違いなく喜ばしい。しかし、そこに根拠は本当にあるのか。米国会に提出された日本食文化が称賛されているという報告書の中身を紐解くと……
スポンサーリンク“日本礼賛”は作り話だった!
では、伝統的な食生活が導く理想的な健康社会とは、どのようなものでしょうか?
たとえば身長。江戸時代前期の平均身長は男性が約155㎝、女性で143㎝程度と言われています。これは古墳時代の男性163㎝、女性152㎝よりだいぶ小さくなっています。そして平均寿命は(諸説ありますが)30~40歳程度だったのではないかと言われています。
ちょっと待ってください。江戸時代、とくに元禄以前の食生活はヘルシーで理想的なものだったはず。なのになぜ、古墳時代よりも背が小さくなったのでしょうか?
理由は簡単で、動物性たんぱく質の摂取量が少なかったために背が伸びなくなってしまったのです。平均寿命は、短いとはいえ戦乱の絶えなかった江戸時代以前よりはだいぶ長生きになっているんですね。
当時の欧米諸国と比べてもそれほど差はないと思われますが、この数字を見れば当時の日本人の食生活が決して理想的だったとは言えないはずです。
では、「マクガバン・レポート」は何をもって「元禄時代以前の食事が理想的」と言ったのでしょうか?
答えは、「そんなこたあ、言ってない」、です。
ネットのアーカイブに残る「マクガバン・レポート」を“Genroku”で検索してみても、何もひっかかりません。どこにも書いていないのです。
そもそもこのレポート、5000ページというのも大間違いで、正味100ページ足らず。そのどこを見ても「元禄時代」とか「江戸時代」なんて言葉はありません。
それどころか、“Japan”で検索して出てくるものと言えば、
「アメリカに移住して、動物性脂肪と乳製品をほとんど含まない日本的な食事から西欧型の食事に変化した日本人には、乳がんと結腸がんが激増する」
「日本では比較的少ない乳がんも、アメリカへの移民の間では増加する」
「日本やチリなどの肉の消費量が少ない国では結腸がんの発生率が低い」
といった内容のみ。どこにも「理想的な食事は伝統的日本食!」なんてことは書いていないのです。
まるでどこかのテレビ局が作った、ヤラセだらけの日本礼賛番組と同じじゃないですか!