防災科研が熊本地震の緊急報告を開催 【第3回】異質な土砂崩れ なだらかな山で起こった斜面崩壊

同研究所の水・土砂防災研究部門・酒井直樹主任研究員は土砂災害の現地調査を発表。特徴的な土砂崩れや住宅倒壊を左右した盛り土の影響を報告した。

山下祐司| Photo by NIED|シリーズ:防災科研が熊本地震の緊急報告を開催

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地震で出現した数十㎞の地表地震断層

土砂
図5

 益城町の被害で目立ったのは盛り土が原因となる被害。人工的な盛り土で斜面を平らにして住宅を建てるため、盛り土の変化が住宅の被害に直結する。

 図5の画像では、右側の家は持ちこたえているが、盛土で造成された左側は傾き被害が大きい。

 一般的に地震で心配になるのは建物への直接的なダメージだが、建物が揺れに耐えても地盤の変化で傾き、倒壊するケースも出る。

 河川や海の近くなら盛り土への影響がなくとも、さらに下の地層で液状化が起こり地盤沈下することもある(図6)。益城町でも液状化が確認されている。

土砂
図6

 今回の地震で出現したのが数十㎞にわたる地表地震断層。かなり大きなエネルギーを発生するので近くに被害が集中する。約2mのずれが確認された地点もある。

「目に見える地表断層と地中にある建物の基礎地盤との相互作用で被害が発生する」と説明した。

 九州は梅雨や台風で雨が多い地域。地震で不安定になったところを豪雨が襲い土砂災害が発生する危険性がある。酒井主任研究員は語る。

「熊本に限らず平常時にハザードマップを確認して欲しい。土砂災害警報が出たらはやめに避難所へ移動する。

 ただし、豪雨中の避難は危険もある。住宅の2階で山に面していない部屋に避難するなど自分で考え、判断することが重要になる。そのための情報を提供できるように研究を進めたい」

取材・文 山下 祐司

【了】

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