金田一さん、事件ですよ! “フケ”の発生を左右する、頭皮に棲む細菌たち
世界のほぼ半数の人々が、フケに悩まされているという。フケの原因は頭皮に常在するバクテリアのバランスにあるようだ。
スポンサーリンクどんなにおしゃれをしていても、肩にフケが落ちていたら不潔な印象を与えてしまうもの。世界でほぼ半数の人々が、フケに悩まされているという。
上海交通大学の研究から、フケの発生には頭皮に常在する2大バクテリア、プロピオン酸菌とブドウ球菌の比率が、大きく影響していることがわかった。
同大学の研究者らは、18歳から60歳の男女59人の頭皮サンプルを、洗髪から48時間後に採取。フケのある人とない人のグループに分け、頭皮サンプルを比較分析した。
その結果、フケのある人とない人とでは、頭皮に常在するバクテリアの比率が明らかに違っていることが判明した。
人の頭皮に常在する菌で一番数が多いのはプロピオン酸菌属(アクネ菌もこの仲間)、次に多いのがブドウ球菌。
フケのない人では71%がプロピオン酸菌属、26%がブドウ球菌だったのに対し、フケのある人ではプロピオン酸菌属は50%と半分まで減り、ブドウ球菌の比率は44%にまで上がっていた。
今回の研究から、深刻なフケも2大バクテリアのバランスで解消できる可能性が出てきた。
頭皮の皮脂はプロピオン酸菌の餌となり、このバクテリアは湿り気を好む。
常在菌をなくせばいいだろうと皮脂を完全に取り除くようなシャンプーを使ったり、頭皮を乾燥させたりすると、かえってフケを増やす危険性があるわけだ。あくまでバランスなのである。
「プロピオン酸菌を増やし、ブドウ球菌を減らす」とタレントが語るシャンプーのCMが流れる日は近いかもしれない。
取材・文 岡 真由美
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