小保方晴子氏は未だ夢うつつ。手記『あの日』で繰り返される、自己弁護と的外れな若山氏批判
2014年、世間を騒がせたSTAP細胞“ねつ造”騒動。時を経て出版した手記『あの日』には、今もなお時を止めたままの小保方氏の姿があった。
スポンサーリンク『あの日』を出版した目的は「犯人」を示すこと
STAP細胞で日本中を席巻した小保方晴子氏の手記『あの日』が出版された1月28日は、公開の制限はかかっていたが、STAP細胞が世に出た日でもある。
あれからもう2年が経過した。
しかし、本人の考えは変わっていない。小保方氏はSTAP細胞の存在をまだ信じている。
小保方氏が「見つけた」STAP細胞の存在を示すには、科学的に再現性が確認できればOKだ。
わかりやすく言えば、同じ条件で他の人に試してもらい、結果が一致すればいい。
小保方氏たちは、酸性の溶液に浸すだけで、マウスの脾臓から取り出した細胞が他の臓器にもなれる能力(これを多能性という)を獲得したと、世界ではじめて論文で報告した。
だから、あとは他の人が同じ方法で、脾臓からとった細胞を酸性の溶液につけて、細胞が多能性を持ったと実験で確認できればよかった。
しかし、この報告を誰も再現できなかったのだ。
それは当然で、実験結果であるデータや、そもそも実験に使う資料を“ねつ造”すれば、他の人が報告された方法を試しても、結果が一致するわけがない。
だからこそ、それらを確認するためにも再現性は重要になる。
『あの日』を出版した小保方氏の目的は、明らかにSTAP細胞をねつ造した「犯人」を示すことだ。
同書ではSTAP騒動を含めた、全ての研究生活を振り返っているが、その中で一層際立つのが山梨大学教授の若山照彦氏への批判だ。
『あの日』は彼への不満、疑念で多くのページが費やされている。
若山氏は、小保方氏が尊敬していた研究者で、理化学研究所、発生・再生科学研究センター(CDB)で直接指導を受け、STAP細胞の共同研究者だった人だ。