試験直前にやるべきことは? 感情のコントロールが受験必勝の鍵
受験シーズン真っ只中。やるべきことは全てやった。あとは持つ力を最大限に発揮するだけだ。今日は試験で平常心を保つ科学的方法をご紹介しよう。
スポンサーリンク記念受験でもない限り、自分の手の届く範囲の学校に挑むという人がほとんどだろう。
ならば今できることはただ一つ。与えられた課題を与えられた時間内に、最大限の力を発揮して解くことに尽きる。
その邪魔をするのが「緊張」だ。いくら多くの模試を受けて試験に慣れっこだったとしても、やはり本番の緊張感たるや相当なものだ。
テストでの緊張感を解くことが、成績につながることを確かめた研究がある。
学術雑誌Scienceに以前載った論文で、方法はとても簡単。試験直前に湧き上がる不安を、紙に書きとめるだけだ。たったそれだけで緊張がほぐれ、試験の成績は劇的に向上した。
「書く」という行為は不安感をコントロールするには最適の方法だ。客観的に自分を見ることで、冷静さを取り戻すことが出来る。
ワーキングメモリー(短期記憶)は不安感の影響を受けやすく、試験中に緊張し過ぎると目の前の問題が頭に入ってこない。
あがり症の人は日頃から試験に対する不安をノートに書くように習慣づけることで、自然と自分をコントロールできるようになる。
それに、不安を感じる要因には遺伝や環境が大きく関わっている。
トルコの大学が行った研究によれば、試験に対して感じる不安は個人差が大きく、中でも年齢や性、両親の学歴、社会的経済的地位、兄弟数などが関わっている。
例えば女子のほうが男子より不安感が強く、また兄弟の数が多い人ほど不安を感じる割合が大きかった。
反対に不安感の少ない生徒は、自分のことを幸せだと感じるなど、自己肯定感が強かった。またボランティアやクラブなどに積極的だという特徴が見られた。
これらの社会的経験を通して、他人から見た自分をよく知っているということだろう。自分の価値を正しく理解していれば、漠然とした不安など感じなくなるということだ。
己の弱さを知り、己に打ち克つ。これぞ受験必勝の極意だろう。受験生諸君にはぜひ、満開の花を咲かせてほしい。
参考文献
Writing about testing worries boosts exam performance in the classroom.
Ramirez G et al. Science. 2011 Jan 14;331(6014):211-3.
Test anxiety levels and related factors: students preparing for university exams.
Kurt AS et al. J Pak Med Assoc. 2014 Nov;64(11):1235-9.
取材・文 工樂 真澄
【了】