テラフォーマーも真っ青!? ゴキブリ「最強伝説」に新たな1ページが加わる

体重の900倍の圧力をかけても無傷なゴキブリをヒントに、壊れずにすいすい動くロボットの研究が進められている。その目的は災害探索だ。

山下祐司| Photo by UC Berkeley

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ゴキブリ
嫌われ者でも学ぶところはいっぱいある【写真:UC Berkeley】

 累計発行部数1400万部を超えた大人気漫画「テラフォーマーズ」は、ヒト型に進化したゴキブリ、テラフォーマーと人間が「血みどろ」になって火星で争う一大スペクタクル。

 今春には伊藤英明や武井咲が出演する映画もスタートする。「じょうじ」と音を発しながら、むきむき? のヒト型ゴキブリの襲来は鳥肌ものだ。


参照元:『テラフォーマーズ』プロジェクトPV You Tube

 しかし、進化していない地球に生息するゴキブリも十分恐ろしい。

 上から体重の900倍の圧力をかけても潰れずに無傷でいられるのだ。

 この結果は、ゴキブリをこよなく愛する!? バークレイ大学・ロバート・フル教授の研究チームが行った実験からみえてきた性質。

 しかし、実験の目的はゴキブリの強さを調べることではなかった。
 
 ロバート・フル教授たちはハイスピードカメラでゴキブリの動きを丹念に分析して、災害探索ロボットの開発に生かそうとしている。

 狭いスペースを自由自在に駆け巡る、その動きに注目しているからだ。ちなみにゴキブリの動くスピードは秒速で1.5mになる。

 研究に使っているのは体長約31ミリ、高さ13ミリほどのワモンゴキブリ。

 調べると、このゴキブリは自分の高さの4分の1以下の狭い隙間を通り抜けられる。

 ヒトの頭頂からアゴまで長さを25センチとすると、腹ばいになって前を向き、6センチの隙間を通るようなものだ。ヒトには到底できない。

 ゴキブリは体の骨格を柔軟に変化させて薄くなり、腹ばいに進んでいく。

 薄くなりながら進むゴキブリの動きを詳細に分析するため、進む通路の高さを4ミリ、6ミリ、9ミリに変えて設定し速度や歩幅などを調べた。

 また、通路とその天井の摩擦なども変化させて、ゴキブリの動きを記録する。


【閲覧注意】参照元:Cockroaches traverse crevices, crawl rapidly in confined spaces, and inspire a soft, legged robot You Tube
 
 この結果などをもとに、縦に狭いスペースで進むゴキブリの腹ばいの動きをモデル化した。

 さらに、ゴキブリの体を被う外骨格とよばれる殻の性質を調べるために、上から圧力をかけた。

 このときに判明したのがゴキブリの「強さ」だ。瞬間的に上から体重の900倍の圧力をかけても、外骨格のおかげで無傷だったのだ。

 このような適度に硬くて柔軟な外骨格に似ている素材とゴキブリの分析をもとに、上から圧力を加えても、壊れずに形を変えて動くロボットをロバート・フル教授たちは作製した。

 重量の20倍の圧力にも耐えるという。

 地震などで建物や土砂が崩れた現場でできた隙間の内部構造は外からはわからない。

 救助のために、体の厚さを隙間の大きさにあわせて変えられる、ゴキブリのようなフレキシブルな構造を持つロボットはもってこいだ。

 ゴキブリは恐ろしいけれど、学べることはまだまだたくさんありそうだ。

取材・文 山下 祐司

【了】

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