ポルノビデオを見る男性は実はフェミニスト? 女性が抱える社会問題にも平等な傾向
米国の研究から女性はポルノをみる男性を軽蔑しがちだが、ポルノをみない「マジメな」男性よりも性差別意識が低いことが明らかに。
スポンサーリンク「女性をものとして扱っている」「女性を貶めるようになる」「人格形成に悪影響を及ぼす」など、急進的なフェミニストの間ではポルノはあまり評判がよろしくない。
しかし米ウェスタン健康科学大学の研究者らが2月発行の「ジャーナル・オブ・セックス・リサーチ」で公開した報告書は、従来のこうした印象を覆す内容となっている。
今回の研究では、1973年から1、2年おきに米国で実施されている大規模な「総合社会動向調査(GSS)」のデータが用いられた。
調査対象となったのはランダムに選ばれた男女2万4,000人以上で、研究では1975年から2010年の間に行われた調査の結果を分析している。
GSSではさまざまな質問を行っている。研究者らはこの中から「昨年AVを視聴したか」「自分はフェミニストだと思うか」という質問の答えや、また女性の社会進出、職場での地位、夫婦の役割、妊娠中絶などに関連する質問の回答を抽出した。
回答を分析した結果、男女ともポルノの視聴を認めた人々のほうが、女性が抱える社会的課題に対しより平等な見方をしていることがわかった。
ポルノを視聴している男性と視聴していない男性の間でもっとも大きな差が出たのが「女性の社会的権力」と「中絶」の項目で、視聴している男性のほうが、女性も社会的権力を持つべき派、中絶容認派が多かった。
また男女ともにポルノ視聴者のほうが、フェミニストと自認する率が高かった。こうした分析結果から研究者らは、ポルノの視聴は女性を低く見る考え方には直接結びついていないと結論づけている。
ただしポルノの見過ぎは、脳にアルコールやドラッグと同じような中毒症状をもたらすという調査結果もあるため、視聴はほどほどにしておくのがよさそうだ。
取材・文 岡 真由美
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