あひるさんが宇宙を変える? 超小型衛星のビジネスモデル

アメリカの20分の1! 早稲田大学での公開セミナー『最先端観測機器開発による宇宙科学観測』で、日本の宇宙ビジネスの現状を伺った。

川口友万| Photo by Tomokazu Kawaguchi,NESTRA

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徹底的に出遅れた日本の宇宙ビジネス

あひる
産学連携で作られた純国産超小型衛星。日本オリジナルの宇宙機器産業が始まった
【画像提供:NESTRA】

 堀江貴文氏が宇宙ビジネスに手を付けた時、ほとんどの日本人は、そんな夢みたいなことを、と苦笑したのではないか? 

 私はそうだった。太ったホリエモンが中古のソ連製ロケットに窮屈に乗り込んだ(というか、ハマってしまった?)絵は、未知へのロマンというより詐欺師の不格好なギャグに見えた。

 しかし、時代は変わる。

「宇宙ビジネスは世界で24兆円規模の産業です。10年で約2.3倍に成長している」

 有限会社オービタルエンジニアリングの取締役社長・山口耕司氏は、数少ない日本の宇宙機器企業のひとつを率いる一方、次世代宇宙システム技術研究組合の理事長も務めている。

「そのうち、ロケットの打ち上げや部品を作っている宇宙機器産業の売り上げは1.9兆円しかなく、残りはそれを利用する産業になります。衛星放送や衛星電話ですね」

 自動車産業は200兆円規模なので、宇宙機器産業はまだまだ小さい。しかしアメリカでの市場が4兆5000億円に対して日本は2348億円と聞くと、また日本が負けたのかと思う。
 
 しかも92%が官需だ。対してアメリカや欧州では、官需の割合が40%程度。日本人は宇宙をビジネスとして捉えていないらしい。

「日本はすごい技術を持っていて、世界で4番目に人工衛星を打ち上げ、ロケットの打ち上げ場を持っている12ヵ国のひとつです。はやぶさの技術もあるし、自動で宇宙船をドッキングさせるなどの高度な技術もある」

 なぜ産業になっていないのか?

「国のデータでは、日本の宇宙関連産業全体の規模は7.7兆円、宇宙機器産業の規模は2650億円になっています。これは実体に即していない」

あひる
山口耕司
有限会社オービタルエンジニアリング 取締役社長
次世代宇宙システム技術研究組合(NESTRA) 代表理事
和歌山大学 宇宙教育研究所 客員教授
【撮影:川口友万】

 山口氏によると、商業用通信衛星と放送衛星は19機中18機が米国製。JAXAのロケットは研究用途に限られ、民間企業による商用利用は考えられていない。利益が宇宙機器開発に回っていないのだ。

「宇宙機器産業と宇宙利用産業がうまくリンクした体制を作って行かなきゃいけない。私が会社をやめて、宇宙がビジネスなるかなあと思ったのが20年前なんですね。

 当時、国は宇宙が産業になるなんてまったく考えていなくて、やっと平成20年に宇宙基本計画ができて、その時、初めて産業化することになった。

 その時になって初めて、気づきました。産業化する意思がない宇宙産業で、会社やめて商売しようと思ったのは大きな間違いだったと」

 日本の宇宙産業のロードマップができたのも、ようやく去年の話である。

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