【あぶない医学のおかしな常識】第3回 飲んだら死ぬで~! ヤセる薬にご用心!
非科学的インチキ医学をやっつけろ! アルファブロガー、五本木クリニック院長・桑満おさむ先生のブログから医学エッセイを厳選してお届けします。
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食欲抑制剤に分類される薬もあります。
この系統の薬は私は処方したくない薬ベスト3に入ります。
これらの薬は、向精神薬に分類され習慣性のある医薬品とされています。食欲を抑える薬として一時期注目を集めました。
食欲調節中枢などに作用して食欲中枢を抑制し、満腹中枢を刺激することにより食欲抑制作用を示しますが、医師が処方する場合の条件としてBMIが35以上の高度肥満症であることが必要です。
ダイエットを扱っている医療機関では割と気軽に処方されているのですが、私はそのような使用方法は賛成できません。
なぜならこの薬は殆ど覚せい剤と似た効果なのです。効果を発揮するのは中枢神経であり、まるで覚せい剤です。
この薬を作っている会社は、歴史的に有名なスモン病という悲惨な病気を副作用として世界中に被害者を作り出した製薬会社です。
スモン病とはSMON subacute myelo-optico-neuropathyの頭文字をとったもので亜急性脊髄視神経症と呼ばれる脚のしびれから歩行困難、視力障害を引き起こします。
日本では1970年に販売禁止となりましたが、副作用であるスモン病に対する根本的な治療はなく対症療法に甘んじています。
日本ではこの薬害によって全国で1万1007人の方が苦しんでいます。これは古い話の部類に入ってしまいますが、この会社はまたやってくれました。
ニュースで報道された「論文改ざん問題」を起こしたのもこの会社です。論文を自分の会社の薬が優位になるために実験結果を操作したとされています。
ただでさえ不信感を持たれている医療に対して、医療・医薬品の信頼性を失わせるだけでなく国民の信頼を根底から揺るがした事件です。
こんな事件ばっかり起こしている会社の薬ですから、たとえ効果があったとしても心情的には使いたくない薬であるのは間違いありません。