研究者よ 成果を事業化せよ! ホリエモンは積極的に「投資したい」

イノベーションを起こすNEXT WORLDに向かって乗り越えるべき障壁は。堀江貴文、山海嘉之、小笠原治によるトークセッション。

山下祐司| Photo by Yuji Yamashita

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石を投げると博士にあたるつくば市はシリコンバレーになれるのか

つくば
「なぜつくばはシリコンバレーになれないのか」 堀江氏
【写真:山下祐司】

 筑波大学をはじめ、産業技術総合研究所や理化学研究所、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、農業・食品産業技術総合研究機構などなだたる国の研究機関が集まるつくば市。

 堀江氏は人材や場所などイノベーションを起こす要素がつくば市にそろっているはずだが「なぜシリコンバレーになれないのか」と疑問を投げかける。

 IoTに精通する小笠原氏は米国内でハードウェアやIoTへの投資が2010年からの4年間で約100億円から約4000億円にまで増えている動向を紹介し、こう話す。

「最も投資が増えている都市がボストン。それはMIT(マサチューセッツ工科大学)があり、irobotの成功例があり、アクセラレーターといって事業の立ち上げを手伝う人がいる。そこにものすごいお金が集まりはじめている。つくばはなれるはずと思う」

 つくばがシリコンバレーになれない理由を山海氏が説明する。研究機関が国の予算で運営されているため、研究そのものが3年、5年のプロジェクトを中心に動く。

「研究者たちは自分のテーマを持っていても、予算獲得のためにシナリオを変えるので研究はジグザグに進む」と語る。

 研究者に対する最終的な評価が発表した論文の数で決まる題点を指摘し、論文はあくまでも研究のプロセスを示すもので、製品を生み出した点を高く評価できるシステムの必要性と説く。

 ただし、現在でも時間と費用コストから実証に至らないケースが多く、アリーステージのプロダクトが見つかるはずだと話すと、堀江氏も小笠原氏も「投資したいです」とすかさず答えていた。

 話は堀江氏が注目するパーソナルモビリティに。「これからの自動運転や交通システムを考えると今の自動車はしっくりこない。ひとりを運ぶために4人乗りの車に乗っている。

 どう考えてもオーバースペック。ロボットスーツ型でもいす型なのか、まだ見ぬかたちのデバイスなのかわからないが、実現したら一大産業になる」と堀江氏が話すと、山海氏は先端技術を導入した未来型の町をつくるサイバニックシティ構想を紹介した。

 つくば市内にすでに土地は購入済み。ロボティックチェアーに座って歩道を移動する町では、ロボティックチェアーが「ひとり」で買い物にも行くのだ。

 パーソナルモビリティ普及の鍵はiPhoneのようにイノベーションを爆発的に普及させるプロダクトデザイン。3人の考えは一致していた。

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