ドローンを空中で「捕獲」するワシやタカ オランダ警察が導入か?

増え続ける違法なドローンへの対抗策として、オランダではワシやタカなどの猛禽類の採用を検討している。「ローテク」な手段だが意外と効果的だという。

岡真由美| Photo by Politie

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ドローン
見事にキャッチ【写真:Politie】

 オランダ警察は1月31日、ワシやタカなどの猛禽類の訓練を手掛けるガード・フローム・アバブ社(オランダ)と提携し、違法なドローンを空中で捕獲する猛禽類の採用を検討していることを明らかにした。

 同警察によれば、所有者不明のドローンが最近急増しており、犯罪目的で使用されている可能性もあることから、さまざまな対策を検討しているという。

 オランダ警察ナショナルユニットのイノベーション・マネージャーを務めるマーク・ウィービー氏は「救急輸送機が飛び立つときに、ドローンが飛行していたために離陸できないケースが発生している。(中略)ドローンが空から落下した場合、人々に危害を与える可能性もある」と述べている。

 本来はドローンを飛ばしている所有者を見つけるのが一番だが、これは簡単にはいかない。そこでオランダ警察が思いついたのが、飛んでいるドローンを物理的に「捕獲」することだった。

 ガード・フローム・アバブの共同創業者であるスジョード・フーゲンドーンCEO(最高経営責任者)はセキュリティ業界に詳しく、ベン・ド・ケイザー共同創業者兼COO(最高執行責任者)は25年以上猛禽類やハトなどさまざまな鳥を訓練してきた経験を持つエキスパートだ。

 フーゲンドーンCEOは数年前からドローン対策に取り組んでいたが、鳥を使うという「ローテク」な手段がもっとも効果的だと確信、会社を立ち上げた。

 猛禽類が餌を捕らえる本能を生かし、ドローンを空中で捕獲できるよう、さまざまなサイズや種類の鳥をオランダのハーグにある施設で訓練しているという。

 オランダ警察は現在、猛禽類によるドローン捕獲以外にもいくつかの対策を実験しており、今後数か月のうちにどの手法を採用するかを決定する予定だ。

 ガード・フローム・アバブのWebサイトによれば、現在多方面から問い合わせがが殺到しているようなので、近い将来、ドローンを捕獲しているタカやワシの姿を目撃する機会があるかもしれない。

 動画はオランダ警察が屋内でのデモンストレーションの様子を撮影したものだ。鳥が足を使って見事にドローンをキャッチする様子をぜひ見てほしい。


出典:「Politie zet roofvogels in om vijandige drones uit de lucht te halen」YouTube

取材・文 岡 真由美

【了】

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