【『決してマネしないでください。』完結記念インタビュー】 最終回 女性はあなたが対象外でもランチには行ってくれるから(全3回)
あまりの情報密度に圧倒される『決してマネしないでください。』(講談社)。異様にIQの高いマンガの作者に話を聞く最終回。
スポンサーリンク私はモテない人は好き
蛇蔵
ゲーム会社にてコピーライター兼デザイナーとして勤務後、独立。フリーライター兼イラストレーターの時代を経て、絵と文を同時に書けばいいのではと遅まきながら気付き、漫画家の道へ。
著作に『日本人の知らない日本語』、『日本人なら知っておきたい日本文学』(共に海野凪子と共著)など。
【写真提供:蛇蔵】
『決してマネしないでください。』は、理系の男の子が年上の女性に告白できずに悩む話を軸にしたコメディです。いくら理系だからって、理想の女性を称して「真空中の摩擦のない球」と呼ばないと思い……でもないか。
蛇蔵先生から見て、理系男子は恋愛対象としてはどう見えますか?
「私はどんなジャンルであれ、知識のある人は魅力的だと思っているので、理系に限らず何かに造詣のある人は魅力的ですね」
造詣が深くてもモテないですけどねえ。
「基本、モテない人というのはそれはそれでひとつの魅力だと思いますね。モテない人は浮気をする可能性が低いですから。モテる人はすなわち浮気をするかもしれないわけですから」
……魂の叫びですね。女やってるといろいろあるわけですね。
「私に好かれてもうれしくないかもしれませんが、私はモテない人は好きですよ」
私も理系だったのであれですが、理系の男の子はなかなか恋愛がうまく行かない。横で聞いていると、男同士だとそれなりに面白い話が、女の子の前だと恐ろしくつまらなくなる。あれはなんでなのでしょうねえ。
「でもそれを面白く聞ける女性はいると思っています。『女の子はそういう話を面白がらないはずだ!』という、女性に対する思い込みや過剰な夢を外して、気楽に話すところからはじめると、いいのではないでしょうか」
蛇蔵先生は東工大や東大に取材に行かれましたが、学生たちはちゃんと彼女はいましたか?
「あ~いないです」
あ~やっぱり。
「いる人は本当にまれです」
研究が面白くて、彼女が欲しくないとか?
「それはいろいろですね。非常に彼女を欲しがっているけど、いないとか。全然、興味ないって言ってた人もいます。別にどうでもいい、時間取られるぐらいなら、とか。貴重な『彼女いる族』でも、厳しい未来があることも。
彼女にあげようと思って指輪を削りだしから作っていたら、ラボに篭もりすぎて会う時間が減ってフラれた、という話は泣けましたね……」
指輪とバイクの部品を取り違えていますね。ヨシムラと彫ってありそうだ。