【『決してマネしないでください。』完結記念インタビュー】第2回 天才は100年経ってもまだ天才(全3回)

理系のややこしい話を笑って学べるコメディマンガ『決してマネしないでください。』(講談社)。作者の蛇蔵先生に制作の裏話を聞く。

川口友万| Photo by Hebizou|シリーズ:『決してマネしないでください。』完結記念インタビュー

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えぐい話は面白くてもボツ

蛇蔵2
蛇蔵
ゲーム会社にてコピーライター兼デザイナーとして勤務後、独立。フリーライター兼イラストレーターの時代を経て、絵と文を同時に書けばいいのではと遅まきながら気付き、漫画家の道へ。
著作に『日本人の知らない日本語』、『日本人なら知っておきたい日本文学』(共に海野凪子と共著)など。
【写真提供:蛇蔵】

 第1話1ページ目は虚数の話から始まりますが、ああいう妙に理系のツボにストライクなネタはどうやって作っていたんです?

「ギャグにせよ、何にせよ、私は割と方程式みたいないものから考えるんですね。何かが起きた時に、その元となる方程式は何なのかを考えて、方程式さえわかれば入力する数字を変えればいい」

 えらく理屈っぽく描くんですね。だてに理系ギャグ漫画を描いているわけじゃない。

「いろんな類型のキャラクターを見て、こういう人はこういうことを言うだろうとか、このギャグがあるならこういうギャグもあるだろうとか、どんどん作れるので、それでできた代物ですね」

 使いたかったかけど、ボツにしたネタで面白いネタはありましたか?

「すごく面白いんだけど、ボツにしたのが、カイコのフェロモンを探知する神経回路を使って、ドローンを飛ばしている話ですね」

 カイコ? 糸吐くカイコ? 

「カイコは絹を取るために改良されてしまった昆虫で、成虫になっても飛べない。でもメスのフェロモンを探知して、そっちに行きたいっていう意志はある。

 そこでフェロモンの方向へ行きたいという意思を信号として読み取り、ドローンに載せて飛ばす」

蛇蔵2
蛇蔵2
『決してマネしないでください。』第1話は主人公の掛田が虚数で告白するところから始まる
【引用:『決してマネしないでください。』1巻】

 サイボーグカイコだ。

「ボク、飛べたよ! カイコ、飛べておめでとう! 良かったね、と言っていいのかどうか」

 頭というか胸のあたりがえらいことになってますものねえ。

「生物を使っている研究は非常に面白いんですが、読者によっては読みづらい方もいらっしゃるかもしれないと思いまして、そのあたりは外しました」

 一度グロいと思ったら、読者は引きまくりですよね。

「単にスペースの問題で泣く泣くお蔵入りする場合も。素数の話でも使わなかった話があります」

 素数? 

「理系は素数が好きという話は、割とメジャーですよね」

 そうなの? まあ嫌いじゃないけど。

「取材して聞いた話ですが、文系の人に『理系なんだ、素数好きなんでしょ?』と言われるんですって。それが腹が立つと」
 
 まあ、ねえ。決めつけられるとねえ。

「おまえらは素数の一体何を知っているんだ! 軽々しく言われたくない!」

 そっちが怒りのポイントか!

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