人工知能は顔認識ソフトだった! 人間と人工知能の未来を語る~長谷川修インタビュー(前編)

アルファ碁が人間を破ったことで、注目の人工知能。東京工業大学・未来産業技術研究所 准教授であり、人工知能SOINNを開発した長谷川修氏に話を聞いた。(全2回)

川口友万| Photo by Tomokazu Kawaguchi

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アルファ碁は、パッと見の印象で石を打つ

AI
東京工業大学・未来産業技術研究所 准教授
SOINN株式会社 代表取締役CEO
長谷川修
【写真:川口友万】

……シンギュラリティ(技術的特異点)に達した人工知能は人間を超え、一部の学者は人工知能が人間に反乱を起こすと警告する。そんなSFのような未来が本当に来るのか? 

 それ以前に人工知能とは何なのか? 今までのコンピュータと何が違うのか?
 
 日本における人工知能研究の第一人者で、世界の人工知能研究から10年は進んでいると評価された『SOINN』の生みの親、長谷川修氏に人工知能とは何かを尋ねる。

― アルファ碁が世界最強と呼ばれた棋士を破り、人工知能への関心が高まっています。しかし人工知能とは何かがよくわかりません。

長谷川:今までのコンピュータですと、囲碁や将棋の場合、この手を打ったら次の手はこれというのを一手一手全部しらみつぶしに計算していたんです。

 アルファ碁は、資料を拝見する限り、パターン情報処理というものを行っています。これをこうするとこうなるといったロジックではなく、パッと見の印象です。

― 印象?

長谷川:囲碁の場合、盤面の上に白と黒が並んでいると思いますが、それを画像として処理します。 白が来て次に黒が来て、という順番で一手一手増えていく様子を並べて行きますとムービーのようになります。その結果として黒が勝った、白が勝った、ということになります。

 パッと見で形勢がどうとかどっちが優位とかを判断し、映画のようにこういうシーンの後は次にこういうストーリー展開がありうるということを、たぶん棋士の方はやっていらっしゃるんじゃないでしょうか。

 アルファ碁も同じで、一手一手を打ったらどうなる? という計算をするのではなく、全体の形勢を見ながら、こっちをとろうとか考えている。ローカルなせめぎ合いのところでは、一手一手を考えるんじゃないかと思うんですが、全体では白と黒の画像を模様のようにして覚えさせたようです。

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人工知能SOINNを搭載したロボットは、どんな素材のコップでも潰さずに持つことを学習する
【写真:川口友万】

― 過去の棋譜のパターンから、こう打ったら白がこう増えた、だからここに打つ、というパターンで囲碁を打っているということですか?

長谷川:そうです。どうやって打っていったかというものすごい数のパターンを見せまして、ちょうど映画をずっと見せたようなものです。今のシーンはどの映画のどのシーンに近いかを割り出して、自分が勝ったシナリオにどのようなものがあるのかを検索して、そちらにひっぱるように石を打つんです。

 将棋で人間に勝ったAIも同じようにパターンを覚えさせたと聞きました。将棋の場合はコマに色を割り当てて、駒の配置を色のパターンに変えて、王将と桂馬と金の位置が三角形の場合はこれ、のようにして覚えさせたらしいです。

― アルファ碁のようなパターンでの処理は、今までのコンピュータではできないものなのでしょうか?

長谷川:今までの将棋や囲碁ですと、全部ロジックで並べていくので膨大な計算が必要になります。

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