【食べる科学実験】 理系大好き“キムワイプ”で肉まんを作ってみた
以前、中国で段ボール入り肉まんが話題となった。じゃあ、理系大好きキムワイプで肉まんを作ってみたらいったいどーなる!? 食べられるの? キムワイプ。
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完成したキムワイプ肉まんは、断面が黒いことを除けば、ただの肉まん。蒸したものを食べてみる。ふーむ。こういう肉まんと言われれば、こういう肉まん。安い肉まんというか、ジューシーさに欠けるものの、味に問題はない。なんとなくおいしくないけど。
科学実験酒場へ持って行く。まずは助手の高実茉衣に食べさせる。
こっちがキムワイプ肉まんね。
「まあ、うーん、普通?」
だよなあ。
「黒いですねえ」
黒いねえ。
「マズそう」
マズそうだよなあ。食べると、見た目よりはマシだな。
「こういうの、普通に売ってそう」
じゃあキムワイプ抜きの肉まんはどうだ?
「んん……なに、これ! めっちゃおいしい! すごい、おいしい!」
そりゃよかった。
「なんで入れるんですか? そのままがおいしい」
ホントだよ、なぜキムワイプを入れるかな。うまいものをまずくしてどうする。ウー・ウェン先生のレシピにハズレなし。
来た客に出したが、みなさん、普通という意見だった。言われなきゃ普通の肉まん、取り立ててマズくもなくおいしくもない。
ということはだ、キムワイプ肉まん、元を正せばダンボール肉まんは食えるということだ。言われなきゃ気づかずに食べてしまうレベルなんだから。
本当か? 本当にダンボール肉まんは虚偽報道だったのか? 本当は……あったんじゃないか? ダンボールを混ぜた肉まんは売られていたんじゃないか? 食えるんだから。わからないんだから。それが何かとても不都合で、だから虚偽報道がでっち上げられたんじゃないのか?
報道がウソだったという、それこそがウソだった? ……食糧危機の未来を描いた70年代の映画『ソイレントグリーン』では、ラストに主人公のショーン・コネリーが叫ぶ、「ソイレントグリーンは人間だ!」
だから私もまた叫ぼうではないか、「あの肉まんはダンボールだ!」
取材・文 川口 友万
【了】