目がないクチバシがない改造ニワトリ?! KFCを巡る噂
マクドナルドやKFCなどの超巨大外食チェーンは、世間に愛される一方でひどく憎まれもする。そんな都市伝説のひとつ、KFCのニワトリの噂を調べてみた。
スポンサーリンク醜く変形したニワトリたち
バッテリーヘン=battery henと呼ぶ。
乾電池メンドリとでえも訳せばいいのか。養鶏場のメス鳥のことだ。身動きのできない籠の中に押し込められ、卵を産む以外のことができない一生を送る。
ちなみにオスは生まれると同時にガス室送りとなり、肥料などになる。卵を生めなくなった廃用鶏は固形スープの素やアミノ酸粉末、サプリメント(日本のお年寄りはタンパク質が足りないので、サプリメントで取るのだ)などに加工される。
バッテリーヘンのような密集飼いをするとニワトリはストレスから激しく喧嘩をする。時には相手を殺して食べてしまう。そこで養鶏業者は生後2週間ほどでデビーク(断嘴)を行う。高温に熱した刃でパチンと口ばしの先を切り落とすのだ。
これはアメリカに限らず、日本の養鶏業者も行っている。さらに卵を効率よく産ませるため、鶏舎の照明は定期的に数ルクス(月明かりが約1ルクス)まで落とされる。
成長後の一羽のスペースはA4紙の約半分。ニワトリは羽根を広げることもできない。生存率は約75%とかなり厳しい。
そして籠の中で成鳥になったバッテリーヘンたちは、デビークされた短い口ばしを持ち、ストレスや病気で裸同然に毛が抜けた化け物のような姿となる。
食肉用のブロイラーはバッテリーヘンよりはいくぶんマシな環境で育てられるようだが、デビークはされるし、攻撃性を抑えるために照明を落とした鶏舎で育てられる。雄鶏はさらに鶏冠や足爪の切除などを受けることもある。
彼らは食用として「改良」されたわけではない。コストを最優先した劣悪な環境が普通のニワトリを薄気味悪い生き物に変えてしまったのだ。
KFCのニワトリがそうしたニワトリかどうかは不明だ。しかし目が見えず口ばしがなく足が萎えて羽の抜けたニワトリは、間違いなく私たちの食卓に上がっている。
バイオ技術なんか使わなくても、人間のやることは十分に業が深い。
取材・文 川口 友万
【了】