【食べる科学実験】メガネ洗浄機でワインをおいしく? 超音波酒の秘密

『決してマネしないでください。』(蛇蔵/講談社)にあった、ワインをメガネ洗浄機でおいしくするというネタを検証した。驚くことに、酒の味は明らかにまろやかに!

川口友万| Photo by Tomokazu Kawaguchi|シリーズ:食べる科学実験

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超音波で酒がまろやかになる?

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メガネ洗浄機でワインを振動させると、短時間で熟成が進み、おいしくなるというが?【写真:川口友万】

 週刊モーニングで連載されていた科学実験マンガ『決してマネしないでください。』(http://www.moae.jp/comic/ketsumane)に載っていた、メガネ洗浄機でワインがおいしくなるというネタ。本当においしくなるのか?

 メガネ洗浄機に使われているのは超音波振動子、水の中に超音波を発生させ、水を振動させて汚れを落とす。ワインの瓶をメガネ洗浄機に入れると、瓶の中のワインが振動する。それでなぜおいしくなるのか?

 実は超音波を使った酒の熟成はすでに実用化している。各国に超音波を使った酒の熟成デバイスがあり、日本では協和熟成科学株式会社が特許を取得している(特許第4069265号)。同社の超音波熟成装置『PASS』は酒造タンク内に超音波振動子を沈め、タンクごと振動させるもので、<10年を1ヶ月に短縮>するという(同社ホームページより)。

 熟成とは何かといえば、水へのアルコールの分散密度だといえる。酒は新しければ新しいほど、アルコールと水が不均等に混じり合っている。時間が経つにつれて、アルコールは水溶液中に均一に分散する。これは酒を凍結するとわかりやすい。新酒は水の分子同士が集まっているために水分子が凍りやすく(氷の核と水分子が結びつきやすい)、古酒は水分子とアルコール分子が均一に混じっているために凍りにくい(氷の核に水分子が結合するのをアルコール分子が阻害する)。

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メガネ洗浄機なので、ついでにメガネも洗ってみる【写真:川口友万】

 超音波で強制的に振動させることで、水分子とアルコール分子が短時間で均一に混じり合い、熟成した酒と同じ状態に変化するわけだ。

 しかし理屈はそうでも、実際に味の変化が起きるのかはわからない。そこでボジョレーヌーボーを使って実験してみた。ご存知の通り、ボジョレーヌーボーはワインの新酒で、非常に固い。決しておいしい酒ではない。フランスで売れないために、日本でうまく宣伝して売っていると言われるが、それも納得の固さである。

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