日本人が大発見! 大阪で生まれたカビやさかい、プラスチック食うたるでえ!
梅雨前線停滞中。この時期、風呂場掃除にかり出されたお父さんをイラつかせるカビだが、その種類は8万種以上。中には想像を絶するスゴイやつも。
スポンサーリンク発酵と腐敗は紙一重
パンに生える青カビにはぞっとするが、パンを作るのに必要な「酵母」だってカビの仲間だ。ビール、日本酒、チーズも味噌も、カビ様のおかげで美味しくいただけるのだ。
今、世界中の研究者が躍起になって探しているのが「プラスチック分解カビ」。理由は明白で、もともと天然由来ではないプラスチックを、どうにかして自然に返したいからだ。
丈夫で軽量、成型自在と三拍子そろったプラスチック製品は、増加の一途をたどるばかり。しかしそもそも石油製品で地球温暖化の片棒を担ぐとあって、自然環境の観点からは評判がよくない。
そこで考え出されたのが生分解性プラスチック、通称「グリーンプラ」。
カビなどの微生物によって分解されるプラスチックで、生活の中にも深く浸透している。
たとえば昔は金属だったサランラップの切り出し刃が、いつのまにかプラスチック製のものに替わったことにお気づきだろう。
あれはトウモロコシを原料にして作られる「ポリ乳酸」というグリーンプラで、土に埋めれば微生物に分解されて、水や二酸化炭素になって消えてしまう。
もっと大規模なところでは温室や畑を覆う「マルチ」。
畑にかぶせられた黒いビニールは雑草や害虫の予防、温度調節などが目的で、昔はポリエチレン製だったから、いちいち取り外すのがたいへんな手間だった。現在ではPBSというグリーンプラが使われており、時間が経てばいつかは土に返る。
このPBSを分解する微生物が、最近の系統解析により「パラフォマ」というカビの近縁種であることがわかった。
その後の解析から、パラフォマのいくつかの系統もPBS分解作用を持つことが分かっている。やっぱりカビはスゴイのだ。