【月刊ムー編集長 三上丈晴 VS と学会重鎮 皆神龍太郎】 最終回「ムーはオカルトではない、哲学である」 (全3回)
どっぷり理系のオカルティスト対談も最終回。月刊ムー編集長の三上丈晴氏とトンデモ本を批判的に楽しむ団体「と学会」の皆神龍太郎氏のビッグ対談!
スポンサーリンク昔、神童。今も天才。そして漂泊の人へ
1979年創刊、長寿雑誌である『月刊ムー』
日本内外のオカルト・スピリチュアル情報はすべて同誌編集部に集まってくる
【写真提供:月刊ムー】
皆神:今さらですが、偉人とか天才って怪しい人が多いよね。
三上:変人ですよ変人。
皆神:まともな人間だったら偉人なんてならない。やっぱりどこかおかしい。
三上:偉人の『偉』は『異』だから。
皆神:ほとんどの偉人予備軍は単なる変人で終わるだけですよ。たまに100人に一人くらい本当の偉人が出る。
多くのまともな人は、ああいう特異な人々を目指しちゃいけない。普通の人は間違いなく「偉人もどき」で終わりますから。
生まれたときから世の中的にちょっと普通じゃない人々が競っていて、その中で真に普通じゃないチャンピオンな人が偉人になるんだと思う。
三上:世界最高のIQの女性いるじゃん。あの人なんかは何にもしなくても世界中からの相談がきてそれに答えてるだけ。本当なのよ!!
皆神:まさにご神託。失踪して消えたグロタンディークっていう、ものすごく有名な数学者がいるんだけど、ある日森の彼方に消えてしまって。
どうも一昨年亡くなったらしいけど、その人は数論でものすごい業績を残したの。
三上:数学者ってね、発狂するか消えるかなんだよ。徹底的に抽象的な概念突き詰めるから発狂する。
皆神:それに比べると、物理の人々はまだこの空間に生きてるから、せいぜい宗教くらいまでしか行かないのかな。
三上:子供のころから天才っていう人が学校出て大学行ってそのあとどうなると思います?
親としてはね、これだけ天才なんだから、会社起こしたりどっかの企業に行って社長になったりとか政治家になったりとかって期待するでしょ? ぜんっぜんない……漂泊の人になる。
皆神:漂泊の人って、みんなサンカになっちゃうわけ?
三上:半分世捨て人だから。頭良すぎると、他人がどう考えてるとか全部読めたりとかする。そうすると競争なんてしたくない。
そもそも競争なんて興味が無い。ハングリー精神がないんだから。成り上がりの社長って、中卒だったり、子供の時にコンプレックス抱いてたり、差別されたりした人たちがハングリーでのし上がってるでしょ?
皆神:素粒子出身でムーの編集長になった人に言われたくない、とかいわれちゃうかも(笑)。