【あぶない科学実験】脳みそをハッキングせよ! あなたを変えるマシン体験
1970年代にヒットしたメガブレインが帰ってきた! 脳波を特定の波長に誘導し、学習能力を向上させたり、やる気を出したりできる夢のマシンだ。
スポンサーリンク手軽に悟れ! カシーナは瞑想マシン
山口大学・西藤聖二らの研究(「赤青交互閃光刺激に対するアルファ波の位相同期現象」)によると、21~31 歳の健常者30名を対象に、40秒間、10Hzで明滅する白・赤・青の3通りの光で刺激したところ、色の点滅に応じて脳内でアルファ波が発生、その変化に合わせてアルファ波の出る部位が変化したのだそうだ。
面白いことに、単色の光の明滅では、こうした現象は起こらなかった。
光によって脳波を一定の波長へと誘導する……カシーナの原理はこれである。しかも単にアルファ波を出すだけではなく、点滅のリズムや色を変えることで、アルファ波の発生する部位をコントロールすることさえできるのだ。
目を閉じて体をリラックスさせれば、アルファ波は出る。ただ、その状態を維持するのは難しい。
座禅を組めばわかるが、僧侶のように何時間も座り続けることなど、ちょっと真似したぐらいでできるものではない。耳から音は入ってくるし、体はしびれる。何より飽きる。
カシーナは脳波誘導を行うことで、そんな瞑想のハードルを一気に下げる。どんな凡人でも、カシーナがあれば音楽を聞くように手軽に瞑想ができる。いわば悟りサポートマシンがカシーナなのである。
光以外にカシーナは音も利用する。
音の波長に脳波が同期するという説がある。周期の引き込み現象が、脳と音の間にも成り立つという(あくまで仮説で、賛否両論がある)。
脳波と一致した超低周波を聞かせることで、“脳波の周波数を誘導する”のだ。
2013年、理化学研究所・脳科学研究推進室は会話のリズムが合う相手とは脳波も合うことを発見した。
2人でアルファベットを順番に言い合い(被験者が「A」と発声した後、相手は「B」と発声し、被験者は続けて「C」と発声)、その時の脳波を調べた。
すると発話リズムが同調するときに脳波リズムも同調し、特にアルファ波を含む6~12Hzの脳波が増幅し同調することがわかったのだ。
脳波は音に影響され、周波数を変えるらしい。
カシーナでは誘導する脳波に合わせた周波数の音を流し、さらにバイノーラル録音という、立体的な音響を利用して、より没入感を増している。