防災科研で熊本地震の緊急報告が開催 【第1回】4/16大分での震度6弱は熊本の本震がトリガーだった
4月24日に行われた緊急報告で、同研究所の地震津波火山ネットワークセンター・青山真センター長は観測データから今回の地震の特徴を説明した。
スポンサーリンク大分の地震でトリガーとなった本震
前震の揺れは大きいが範囲がかなり狭い。本震の揺れは大分まで伸びているのが特徴的。どちらも1000ガルをこえる大きな地震だったが、本震のほうが被害の生みやすい細かい周期の揺れが起こっていた(図4、図5)。
4月16日の本震が起こると震源地の熊本より離れた大分・湯布院や別府でも気象庁発表で震度6弱が記録されたが、この原因も判明。
防災科研の観測データから湯布院では本震がトリガーになり16、7秒後に大分でもう一つの地震が発生したため、震度が大きくなったことがわかった。
もし、この地震がなければ震度4だったと推測される。同じく気象庁発表で震度5強を記録した大分県九重町でも同様の波形が観測されている。図6)
九州全域のデータをみると、本震で使って大きくすべっていたのは震央の北東約10~30km領域で最大すべり4.9mを記録している。
大きく滑ったところほど余震が起きていないようにみえているが、暫定的なもので詳細な解析が必要になるという。
衛星からのマイクロ波を使った観測データを用いて地殻変動を分析したところ、前震では地中で14キロメートルの断層のずれて動いていると仮定するとその動きと整合した。
本震では地殻に非常に複雑なことが起こり、解析が難しく今後のさらなる研究が必要とのことだ。
取材・文 山下 祐司
【第2回に続く】
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