防災科研で熊本地震の緊急報告が開催  【第1回】4/16大分での震度6弱は熊本の本震がトリガーだった

4月24日に行われた緊急報告で、同研究所の地震津波火山ネットワークセンター・青山真センター長は観測データから今回の地震の特徴を説明した。

山下祐司| Photo by NIED|シリーズ:防災科研が熊本地震の緊急報告を開催

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大きな特徴は余震が多いこと

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図1
【図:防災科研提供 以下同】

 防災科学技術研究所・地震津波火山ネットワークセンター・青山真センター長は中央構造線と西日本の地帯構造、九州の断層について解説した後に「前震は日奈久断層が、本震は布田川断層が主役だったといえる」と説明をはじめた。

 M5.0以上の地震でずれた断層の方向をみると、前震までの地震は日奈久断層に本震以降の地震は布田川断層と整合と多くは一致。

 4月16日に起きたM7.3の本震の前後で色わけてして震源分布の断面をみると「日奈久断層と布田川断層がかなり棲み分けたかたち」で示せる(図1)。

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図2

 左の図は地図上の震源分布。青く表示された本震前の地震は東側(図の右側)に固まっている。赤で表示された本震以降の地震は広範囲に分布している。地中の断面をみてものが右側の図になる。

 大きな特徴のひとつは余震が非常に多いこと。代表的な内陸におきた活断層タイプの地震と比較し、M6.8を記録した2004年新潟県・中越地震やM7.2だった2008年の宮城・岩手内陸地震をこえ200回からいまだ増えている(図2)。

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図3

 建物などを揺らす周期的影響の指標になる速度応答スペクトルを比較すると、中越地震の小千谷や川口、兵家県南部地震の鷹取よりは小さいが、本震のほうが1~2秒の間により大きなピークが来ているため被害が出やすいことがわかるという(図3)。

 4月14日に起きた前震は1580ガルと本震の1362ガルより大きな地震動だったが、被害は本震より小さかった。揺れている範囲を見ると全く違うことがよくわかる。

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