アミノ酸に隠された秘密 私たちは共食いさせられている?

アミノ酸の一種、Lシステインはインド人や中国人の髪の毛から作られ、流通しているという。インド人もビックリのアミノ酸裏事情について調べた。

川口友万| Photo by Tomokazu Kawguchi

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体がしびれる? 原料は石油? 味の素にまつわるダークな噂

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都市伝説が絶えない味の素。そのほとんどは取るに足らないデタラメだが……
【写真:川口友万】

 「頭が良くなると聞いて、妊婦が味の素を1日1本使ったら子どもが奇形児になった」「味の素を使うと中華料理症候群になる」「石油から作られている」……。

 味の素ほど世間にいじめられている調味料は他にないだろう。

 味の素はグルタミン酸ナトリウムであり、穀類(当初は小麦、現在はさとうきびやイモ類)を発酵させ、そこからアミノ酸の一種であるグルタミン酸を抽出、水酸化ナトリウムで中和したもの。

 原料は天然由来だが、中和過程で化学物質が使われるので化学調味料と呼ばれる(この呼び名はNHKがつけたそうだ)。

 グルタミン酸に毒性はなく、ビタミンCより安全という研究結果もある。そもそもグルタミン酸は体内で一番多いアミノ酸で、母乳にも含まれている。それが体に悪いわけがない。

 グルタミン酸の過剰摂取で体のしびれ等が起きるとする中華料理症候群も、神経に作用するような生化学反応は見つからず、現在は味の素の味を嫌う心理上の問題とするのが一般的だ。

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大正時代には味の素の原料は蛇だという噂が。創業者の実家が葉山で、裏山に蛇が多かったためらしい
【写真:川口友万】

 ラーメンを食べて舌がしびれたとしても、それは心の問題。グルタミン酸の強い味を味覚が受け付けなかったのだ。

 頭は良くならないし、たくさん摂っても体の外にすぐ出るので奇形児は生まれない。

 しかし石油からできるというのは本当で、販売直前まで研究は進んでいたそうだ。

 ただし石油が意外と燃えやすく危ないことやオイルショックで石油価格が高騰したことなどから販売は断念したという。

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