おとといの夕飯は何食べた? 物忘れは死の前兆だった!
「最近、物忘れがひどくて。」と、記憶力の低下を感じたら脳卒中の前触れかも。しかも高等教育を受けた人ほど、そのリスクが高いというのだ。
スポンサーリンク65歳以上の人口の約1割が認知症
年をとれば誰でも、多かれ少なかれ記憶力に自信がなくなるものだ。しかし「近頃、忘れっぽくて」と自分で言う人は、たいてい認知症ではない。
たとえば、昨日行った居酒屋で最初に注文したものが何だったか思い出せないとしても、それは単なる物忘れだ。
「そういえば店員がビールを持ってくるときひっくり返したな」、ときっかけがあればすぐに思い出せる。しかし認知症になると、居酒屋に行ったこと自体を思い出せなかったりする。
認知症はれっきとした脳の病気で、加齢による記憶力の低下とは別物だ。認知症患者の数は年々増え続け、今や250万人を超えている。これは65歳以上の人口の約1割にあたる 。
認知症の最大のリスク因子は加齢であり、こればかりは自力ではどうしようもない。その他にも、高血圧や糖尿病を患っている、女性である、肥満、喫煙者、お酒をよく飲む、などに当てはまると、発症リスクが増すらしい。
「物忘れ」や「忘れっぽい」など、記憶力の低下に対する自覚症状を「自覚的記憶障害」という。
高齢者の自覚的記憶障害では、脳に変化が起こっていることがわかっている。物忘れを訴える人の脳をMRIで調べたところ、数年後には海馬が委縮していた。
海馬は記憶を司る領域だ。物忘れが始まる数年前からと比較すると、「物忘れ」の自覚症状を訴え始めてからの委縮のほうが大きかった。
「物忘れ」は自分で自覚しているうちは問題ないといわれるが、そのまま海馬の委縮が続けば、記憶障害につながる可能性は否めない。
【次ページ】予防は自覚症状があるうちから!
1 2