「私のオッパイにさわって」とロボットに言われたら? 意外と純情な人間の性意識
人に似ていないロボットの胸や股間などに触れてさえ、悲しいかな、人間は興奮することが明らかになった。
スポンサーリンク「私のオッパイにさわってください」
そう言われてドキドキしない男がいようか? ためらい、照れ笑い、でも触ちゃっていいの? なんて手を伸ばす。
では問題。あなたの前にペッパーくんがいます。ペッパーくんが言いました。
「私のオッパイにさわってください」
どこがお前のオッパイだ! そのモニターか! オッパイをなめんじゃねえ! いや、オッパイはなめてえ! と怒りに駆られるのは例外である。照れるらしいのだ、人間は。ロボット相手に。
スタンフォード大学の研究者らが、ソフトバンクグループ傘下の、フランスのアルデバランロボティクス社が開発した自律型ヒューマノイドロボット「Nao」を使って実験を行った。
Naoは被験者らに対し、自分の身体の13カ所に「触ってください」と話す。
被験者は手首に、体温上昇や発汗などで感情を検出する、簡易版のウソ発見器「Affectiva Qセンサー」を着用した。
実験は、たとえばNaoが被験者に向かって「耳に触ってください」といい、被験者がNaoの耳に触れると、Naoが耳の機能を医学的に説明する、という3段階の流れで行われた。つまりこれが13回繰り返されたことになる。
実験の結果、「おしり」など性的な部分に触るよう指示されると、「手」や「首」の場合と比べ感情の変化や興奮のしるしが見られることがわかった。
またこれらの部分では他の部分に比べ触れるまでに時間がかかり、ためらいが生じることも判明した。
これは性的な部分だけでなく、通常触れることのない「目」でも、同様の反応が見られたという。目に触れるという行為が、相手に痛みを与えてしまうという連想から、躊躇したらしい。
「ロボット」「性的興奮」などというと、ダッチワイフ(近年ではラブドールというようだ)を想像するが、ダッチワイフは性的興奮を引き起こすことが目的だ。
しかしヒト型とはいえ、Naoに性的興奮を覚えるのは、冷蔵庫に欲情するぐらいに難しい。それでもおしりや局部には触りづらく、触るとドキッとしてしまうのが人間なのだ。
今回の研究成果は、6月9日から13日まで福岡で開催される第66回「International Communication Association Conference」で発表される。
Illustration of Experimental Method (video) International Communication Association
取材・文 岡 真由美 , 編集部
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