水素水はいいのか、悪いのか？

「水素水はうさん臭い」と多くの人が敬遠する要因が、その品質だ。家で水素濃度を測るわけにもいかず、無味無臭で色もなく効果の実感もないとすると、信じろというほうが無理だ。

　しかし懸念すべきは効果がないことよりもむしろ、水素水の摂り過ぎによる弊害だ。

　還元力の強い水素が生体に与える悪影響は？　活性酸素を壊しすぎても、細菌感染に耐えられるのか？　

　また本来備わっているはずの防御機能が衰えたり、阻害しされたりしないのか？　

　妊娠中、または幼い頃から水素水を飲み続けることで、エピジェネティックに防御機能が損なわれたりしないのか？　

　さらに水素水を作るときにできる副産物を、長年取り続けても大丈夫なのか？　

　アンチの疑心暗鬼を跳ね返すには、地道に膨大なデータを蓄積するしかないだろう。今後の水素研究の進展が期待される。

参考
Molecular hydrogen regulates gene expression by modifying the free radical chain reaction-dependent generation of oxidized phospholipid mediators.
Iuchi K et al., Sci Rep. 2016 Jan 7;6:18971..
吉川敏一教授　最終講義 「フリーラジカルの医学」 京都府立医科大学　www.f.kpu-m.ac.jp/k/jkpum/pdf/120/120…/yoshikawa06.pdf　

取材・文　工樂　真澄

【了】