ソファにでだらだらビール飲みつつ、国内旅行 バーチャル旅行システム『不思議な酒場』
5月14、15日、東京・鮫洲でメディアアート作品『不思議な酒場』が発表された 。タイトルに釣られて、参加した。
スポンサーリンクネットを通じて日本を旅する体験
なぜ、地下。
入るように言われたのは床に開いた出入り口。普段は倉庫として使っているそうで、わざわざ何でと思ったが、単なるスペースの問題だった。
プロジェクターとソファがあり、ソファに座ってビールを飲む。映写されるのは日本各地の風景だ。その何が面白いのか?
ビールを置く台に圧力センサーが仕込んである。ビールを持ち上げると映像がスタートし、置くとシーンが切り替わる。そしてビールを飲み干す=器の重さだけになると映写が終わるのだ。
ビールを飲みながら、日本の街中を歩く疑似体験ができるというわけだ。
動画はストリートビューを使い、再構成したもの。沖縄の市街地や石川県の千里浜海岸など国内6カ所の映像がテンポよくつながっている。
企画者のひとり、林田朋也に話を聞く。
「ここ(ARTnSHELTER)は外国人向けの宿泊施設なんです。彼らは何がうれしいだろうと考え、日本と言えばテクノロジーだろうと。
そして彼らは旅行者だから、日本国内をいろいろ見て回りたいと考えて、ビールを飲みながら日本を回ることができたら楽しいだろうなと思ったんです。
現地に行かずに体験できるバーチャルな旅行システムですね」(林田)
元々は、当時はまだ学生だった石川県のアート集団『U-MOA』とイタリア料理サローネグループの総料理長・樋口敬洋氏が出会ったことが始まりなのだそうだ。
「YouTUBEに上がっている作品を見た樋口さんから、うちのレストランでもこういうことができないかという話があったんです」(林田)
プロジェクションマッピングで店の外観に映像を流す等々、計画はしたものの、いざやろうとすると資金面や法的な問題などがあり、なかなか難しい。
「小さく始めてみようと、今回、グーグルストリートビューを使い、ネットを通じて日本を旅する体験をするという作品になりました」(林田)