スマートフォンで一時的に「失明」 就寝前後の寝ながら操作にご用心

いつでもどこにでも持ち歩き、もはや手放せなくなったスマートフォン。でも、ベットでの使用には「危険」があると英・モアフォールズ眼科病院の医師ら指摘している。

山下祐司| Photo by Getty Images

スポンサーリンク

原因解明の鍵は“明順応”と“暗順応”

スマホ
その検査、不必要かも?
【写真:Getty Images】

 2人の研究者はSamsungのGalaxy S4の画面を暗闇で最大限明るくし、片眼で10分または20分間使い続ける。そして、視力の回復や感度の変化を調べた。暗闇でスマートフォンを使って明暗順応の変化を調べ、患者の身に起こったことを明らかにするためだ。

 ベッドの上にいた2人の患者になにがおこっていたか。実は暗い部屋のベッドで横になりスマホを使っていると、枕がスマホからの光をさえぎり片眼だけ暗順応し、もう片方の眼はスマホの光で明順応している状態になっていた。

 そこで暗い部屋でスマホの明かりを消すと、スマホの画面で明順応していた片眼は感度が落ちているので何もみえなくなる。だから、眼に障害が起きたと患者たちは思っていたのだ。

 患者はベッドでスマホを使っているときに片眼が明るく、片眼が暗いと意識しているわけではない。しばらくすると暗順応が起こり視力は回復するのだが、患者は片眼だけが失明したと思っていたのだ。

 1人目の患者の障害は常に右眼に、2人目は左右どちらの眼にも起こっていた。それは寝ながらスマホを使う時の体勢が違ったからだ。

 1人目はベッド上では常に顔の左側面を下に、つまり左耳を下にしてスマホを使っていた。そこでは左眼が枕で暗順応し、右眼がスマホの光で明順応する。2人目は一方向のみを下にする”くせ”がなかったので、左右どちらの眼にも「失明」が起こっていた。

 スマホの見方を改善すれば、これらの症状は治まる。英・モアフィールズ眼科病院の医師らは、スマホが普及しているので同じ症状を訴える患者の増加を予想し、医師と患者に余計な心配や不必要な検査を防ぐために、この2人のケースを医学雑誌『NEJM』で紹介したという。少なくとも「寝ながらスマホ」は控えましょう。

 

取材・文 山下 祐司

【了】

1 2
PAGE TOP ↑