【あぶない医学のおかしな常識】第3回 飲んだら死ぬで~! ヤセる薬にご用心!
非科学的インチキ医学をやっつけろ! アルファブロガー、五本木クリニック院長・桑満おさむ先生のブログから医学エッセイを厳選してお届けします。
スポンサーリンク食欲を抑える薬や吸収を抑える薬の作用と副作用
日本最大の製薬会社から痩せることを目的とした新薬が処方薬として販売されています。
食べ物に含まれている脂肪は腸で吸収されますが、この吸収自体を押さえ込むことによって余分な脂質が体に取り込まれることを防ごうという作用をもっています。
類似の処方薬は海外では存在していますので、個人輸入で試した方もいらっしゃると思います。
効果のほどはいかがでしたでしょうか? 油まみれの便が出て困ったなんてことがあったのではないでしょうか?
今回承認される薬はなんと保険診療の対象になっているのです。保険で使用できる基準もBMI25以上とハードルが低いのです。
が! 大前提として糖尿病を合併している方のみが対象となっています。残念。
国を挙げて対策を練っている「メタボリックシンドローム」ですが、この疾患の基準として腹囲と高い中性脂肪が含まれています。
中性脂肪が高い状態やコレステロール値が高い状態を高脂血症と呼びますが、特に中性脂肪を下げるのが得意な薬があります。
成分は高濃度のオメガ‐3脂肪酸(おっと出ました、地中海ダイエットで注目されている成分)であり、イコサペント酸エチル(EPA‐E)、ドコサへキサエン酸エチル(DHA‐E)を含んでいます。
もちろん、ダイエットに使いたいんですけどとおっしゃっても処方されることはありません、残念ながら。あくまで中性脂肪が高いために保険治療薬として使用されるのです。
しかし、成分自体が青魚を食べて中性脂肪が減り、脂肪も減るという効果とあまり変わりがありませんので、著名な変化を期待することはできません。
発売当初、私自身が数ヶ月服用したのですが、他の治療法(後で述べます)と比較するのもかわいそうなくらいの効果しかダイエットにはありませんでした。