ハザードを攻略する力を身につけろ! 日本科学未来館が常設展示を大幅リニューアル

日本科学未来館が、2016年4月20日にリニューアルオープン。開館15周年を記念して、常設展示のスペース約半分ものエリアが更新された。

石水典子| Photo by Noriko Ishimizu

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現実に起きているハザードへの危機感を呼び起こすように設計した

未来館
「フロンティアラボ」は地球の深海や宇宙といった未知の領域に挑む研究についての展示となる
【画像:石水典子】

 5階では「100億人でサバイバル」、「フロンティアラボ」、「ジオ・プリズム」、「ジオ・コクピット」が新展示となる。

「100億人でサバイバル」は、地震や原発事故、異常気象、感染症といったハザードと呼ばれる災害や社会問題が、人間社会で複雑に絡み合っていることを知るための展示だ。

 ゾーンが3つに分かれている。ゾーン1では実際に起きた災害を音、映像で体験。 

未来館
かなりの大きな音を立てて赤い球が流れているため、脅威としてイメージしやすい
【画像:石水典子】

 ゾーン2ではさまざまハザードを表す赤い球が、どのように我々の社会にやってくるのか、人間や生態系を示す人や植物が描かれた絵をドミノ式に倒していく様子を目で追うことで、全体像が分かるような仕組みになっている。

 ゾーン3では、現在ハザードから身を守るために行われている社会の取り組みについて、5段階に分けて紹介している。

 今回リアルタイムに地球の天候や海流を表示している球体型ディスプレイ「ジオ・コスモス」に来場者が操作して表示できるようになった、タッチスクリーン型端末「ジオ・プリズム」と、「ジオ・プリズム」のコントロール・ルームである「ジオ・コックピット」が新設された。ここではAR(拡張現実感)技術を使ったコンテンツが楽しめる。

未来館
未来館の顔でもある地球型ディスプレイ「ジオ・コスモス」【画像:石水典子】

 リニューアルした施設全体のキーワードは「つながり」。知識だけでなく、美しいモノ、楽しいモノ、難解なモノもまとめて、科学をコミュニケーションツールにしたいのだそうだ。

 科学技術を用いた未来を感じさせる展示にはワクワクさせられる。同時に、より身近な存在として歩み寄る工夫をすることで、科学を問題解決に役立ててほしいという、開発者側の意気込みも伝わってきた。

 技術が日進月歩で進歩するように、日本科学未来館も進化を続ける。

◆関連情報
日本科学未来館
開館時間:10:00~17:00 ※入館券の購入は閉館30分前まで
閉館日:火曜日(火曜日が祝日の場合は開館)、年末年始(12月28日~1月1日)
※施設保守のため臨時で休館日を設ける場合あり
※春・夏・冬休み期間等は火曜日も開館する場合あり
所在地:東京都江東区青海2-3-6
問い合わせ:03-3570-9151(代表)

取材・文 石水 典子

【了】

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