『CHROMA』初の東京公演 アーティスト高谷史郎の最先端の舞台表現とは

2016年5月21日(土)、22(日)に新国立劇場で、「高谷史郎(ダムタイプ)『CHROMA(クロマ)』」が開催される。

石水典子| Photo by ICC

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音楽はBGMではなく「音を空間に置いていく作業」

イベント
新国劇場 ダンス 2015/2016シーズン
高谷史郎(ダムタイプ)「CHROMA(クロマ)」
公演フライヤー
【提供:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]】

 まず今イベントのライブでも使用された、超指向性スピーカー。可聴領域をポイントとして定められ、本体が回転し、360度の方向に音を照射できる。

《CHROMA》では、舞台のパフォーマーにコンタクト・マイクを付けることで、ハウリングも演出として使われた。

「大きな音を全員に均質な音をサーブするのが、劇場やコンサートのシステムです。それ以外のやり方はできないかと思い、超指向性スピーカーを使いました。

 ライブ演奏するようにハウリングさせ、パフォーマ―、ダンサーがスピーカーとの関係性で体の動きで作っていきます」(高谷氏)

 舞台で使用される映像技術においては、スクリーン、床、紗幕に投影された映像を、水平方向と垂直方向に動かし組み合わせることで、2次元に投影される映像を3Dのように見せる空間を創り出した。ここにパフォーマーが加わり、空間表現に練り上げていく。

 テクニカル面を支える原氏、南氏、古舘氏によると、高谷氏のディレクションにかかると、音楽はBGMではなく「音を空間に置いていく作業」だという。映像やパフォーマーらは空間を構成する要素として扱われる。

「僕は調整役です。音楽や照明、プログラマー、パフォーマーのアイデアをくみ取り、ディレクションしていく役割なんです」(高谷氏)

 ダンサー、ミュージシャン、プログラマー、映像クリエイターが、インスピレーションを連鎖させ作り上げる作品は、高谷ディレクションの真髄だ。東京公演でも、精緻で、詩的な舞台構成が期待できる。

 ブラッシュアップされ、さらに磨きのかかったその幻想的な空間は21日、22日の舞台で、姿を現す。

日程:2016年5月21日(土)開演:14時、5月22日(日)開演:14時
会場:新国立劇場 中劇場

取材・文 石水 典子

【了】

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