行列ができるプラネタリウム、世界最強100万個の星空が家へやってくる! 天才・大平貴之インタビュー

宇宙空間を家庭で「再現」できるプラネタリウムMEGASTAR CLASSが130万円で発売された。新たなニーズを掘り起こせるか注目が高まる。

山下祐司| Photo by Yuji Yamashita,Ohhiragiken

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自分のペースで純粋に星を楽しむ

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大平技研・プラネタリウム・クリエーター・大平貴之氏
【写真:山下祐司】

「MEGASTAR CLASS(メガスタークラス)で満天の星空に包まれる感覚を提供できます」とプラネタリウム・クリエーター大平貴之は話す。

前回述べたように繊細な光の集まりで描写される「宇宙」は確かに素晴らしい。大平は「MEGASTAR CLASSのアイディア自体は以前からありました」と発売の意図を説明する。

「公共のプラネタリウムにはいろいろなプログラムが用意されています。代表的なものは星座の説明です。他にも宇宙旅行などいろいろな番組を見せます。

 でも、本当に星をみるときに説明やシナリオが必要なのか。自分のペースで純粋に星を楽しめる小型プラネタリウムを出したいと思っていました」
 
 科学館のプラネタリウムはその日の夜空を映しながら星座を解説し、続いて短編映画のようなプログラムを放映するパターンが多い。

 全く空や宇宙に関係ない映像が流れるときすらある。ただ、星を眺めたい人にとっては無数の星空が映し出される時間は短い。

 好きなだけきれいで特別な星を眺めるにはどうしたらいいか。その解決策として機能を一気にそぎ落として発売されたのがMEGASTAR CLASS。

「小さな空間で投影するMEGASTAR-Jr.を2013年に発表したが、一般の人に手の届くような金額ではなかった。費用を抑えつつ、きれいな星を映すことに特化しました」と語る。

 初代MEGASTARの発表から18年、MEGASTARのもうひとつの進化の形でもある。
 
 MEGASTAR CLASSは「子どものころからくっきりとした満天の星を自分の部屋で映し出したかった」という大平の夢を実現させた商品でもある。

 過去に同じ夢をみた子どもたちが現代にどれほどいるのかはわからない。ニーズはどこにあるのだろうか。130万円(税別)の値段から想像する富裕層だけを必ずしもターゲットにしているわけではないという。大平が説明する。

「描写力の高いプラネタリウムはこの価格帯では存在しません。個人の方をはじめ医療機関や老人ホーム、エステなど想定しているターゲットはあります。

 しかし、新たなニーズを知ること、そのものがMEGASTAR CLASS発売の目的でもあります」

 MEGASTARという常識を越えた投影機を開発してきた、大平ならではの答えなのかもしれない。完成当初のMEGASTARには、科学館のプラネタリウムのようないつも星を投影できる場所はなかった。

 しかし、アーティストのコンサートをはじめとした様々なイベントで無数に輝く星を映し出すという新たなニーズをMEGASTARとともに開拓してきた。科学館で常に展示されるようになったのは完成から6年後のことだ。大平は言う。

「需要はイメージしていますが、未知のものがあるかもしれない。それを見つけることもこのビジネスに含まれています。

 MEGASTAR CLASSという世の中になかった商品を送り出しました。ニーズがどこに隠れているかMEGASTAR CLASSが教えてくれるはずです。

 送り出した新たな商品が市場でどう化学反応するのか、世の中にどう受け入れられるか見極めたい」

 発売から約1ヶ月がたち確かな手応えを感じているという。

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