幽体離脱はオカルトなんかじゃナイ!! 科学的幽体離脱のススメ
天井に浮いた自分が眠る自分を見ている……幽体離脱は単なる思い込みなのか、本当にそんなことが起きるのか、科学的に考察する。
スポンサーリンク腕の意識がゴムの腕へと移動した?
寝ている時に自分の体から意識が抜け出て、天井から寝ている自分を見下している。やがて意識は宇宙や異世界へと漂い出し、そこで啓示に満ちた体験をする。
一般的に言われる幽体離脱のイメージである。夢だろう、と笑い飛ばすのはたやすいが、実際に幽体離脱を体験した人はけしてそれを夢とは認めない。自分の意識は体の外へ抜け出たのだと主張する。
では意識は体の外へ抜け出すことができるのだろうか?
それが可能らしいのだ。
『ゴムの手の錯覚』(=rubber hand illusion)と呼ばれる心理実験がある。テーブルの上に仕切りとゴムの手を用意する。
被験者はテーブルに座り、手をテーブルの上に置く。手の隣りに仕切りをおいて、被験者から自分の手が見えないように隠す。
そして目の前にゴムでできた偽物の手を置く。被験者からはゴムの手しか見えない。そうして被験者の手とゴムの手を同時に筆でなぞる。
何が起きるのか?
“ゴムの手がくすぐったくなる”。
自分の手が刺激されていて、でも自分の手は見えない。代りにオモチャのゴムの手が目の前にあり、その上を筆がなでている。
すると自分の手ではなく、ゴムの手がくすぐったいと感じるという。腕の意識がゴムの腕へと移動した?
しかもオックスフォード大学の研究チームが米国科学アカデミー紀要に発表した論文『人工部位を自分の体と錯覚することで引き起こされる特定部位の冷却現象』によると、ゴムの手の錯覚が起きると、被験者の手の温度が下がるのだそうだ。
意識が外に動くと残された身体側の機能が低下するのである。
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