松茸の培養、酵母のDNA情報を使った音楽、バイオの機材もDIY!? 「BioClub Meetup vol.3」前編
6月4日(土)に東京・渋谷のFabCafe MTRL(マテリアル)で、バイオテクノロジーの勉強会・Biohack Academyの受講生による成果発表イベント「BioClub Meetup vol.3」が行われた。
スポンサーリンク他分野から集まったメンバー 個人プロジェクトの発想も自由そのもの
この日、Biohack Academyの受講生が作った、特製DNAカクテルが振る舞われた。イチゴとキウイがあり、アルコール度数は高めだがフルーティでおいしい。
フォークなどで潰した果物に、洗剤とエタノールを使って化学反応を起こさせると、家庭でも果物のDNAを抽出することができるそうだ。
DNAカクテルには、洗剤の代わりにパイナップルジュース、エタノールの代わりにウォッカを使っている。
Biohack Academyは、東京・渋谷のコワーキングスペースFabCafe MTRLで活動しているBioClubの実験的プロジェクトで、いわばバイオテクノロジーの勉強会だ。
2016年春にキックオフし、数々のバイオアート作品を手掛けるアーティスティック・リサーチ・フレームワークBCLのGeorg Tremmel(ゲオルク・トレメル)さんを中心に、月に1回ミートアップ形式で行われている。
Biohack Academyは、二つのプロセスから進められてきた。一つは顕微鏡やクリーンベンチなどを手作りする実験器具のDIYで、もう一つは個人のプロジェクトを進めるというもの。
今回発表されたのは、酵母のDNA情報を置換してつくられた音楽や、自分のバクテリアでドッペルゲンガーを作るプロジェクト、人工栽培が難しい松茸を培養して育てられないか試みたものなど、さまざまだ。
ここに集まるメンバーに生物学の専門家は少ない。Webデザイナーや美大生、広告代理店に勤務する女性など、幅広い分野から参加している。
BioClubメンバーの一部が参加したBiohack Academyでは、20年以上前からアートやサイエンス、テクノロジーにおけるソーシャルイノベーションを促してきた公共機関「Waag Society(ワーグ・ソサエティ)」のオンラインのレクチャーを元に、デンマーク、アメリカなどの国々と共同で、細胞学やバイオ器具の作り方を学んできた。そして個人のプロジェクトを進め、このたびの成果発表となった。