世界中で大人気のポケモンGO 内なるポケモンの「居場所」教えます
世界中で大流行するポケモン探し。残念ながらポケモンGOの日本版リリースの発表はいまだ届いていない。けれどサイエンスニュース的ポケモン情報ならここにあります。
スポンサーリンク進化し続けるポケモン研究
2005年の発表で、マウスのポケモン遺伝子は癌源遺伝子としての機能を持っていると報告された。ポケモン遺伝子のスイッチをオフにすると細胞のがん化が抑えられ、またポケモン遺伝子の働きを上昇させるとがん化が進んだ。
また、がん化していたヒトの細胞を調べるとポケモン遺伝子から合成されるmRNAの量が増えていた。
さて、100兆を超えるほどのポケモン遺伝子が僕らの体にあると記したのは、ほとんどの細胞が細胞一つにつきこの遺伝子を2セットもっているから。
正確な数は定かではないが、人の体には60兆の細胞が存在するという話をよく聞く。この説をもとにすると60兆の2倍で120兆ということで膨大なポケモン遺伝子が僕らの体に存在すると推測できる。
癌源遺伝子として表舞台にたったポケモン遺伝子の研究が進むと、別の重要な役割が明らかになってきた。
発表された論文の時系列で記すと、ポケモン遺伝子が機能しないマウスを人為的につくると赤ちゃんは出生できず、おなかの中で致死になった。つまり、成長に不可欠な遺伝子だと判明する。
そして、ポケモン遺伝子は骨髄細胞が赤血球やリンパ球、破骨細胞に変化するときに細胞の運命を左右する働きを持っていることも明らかになる。
最近でも生物の教科書にも載っているほど有名な、サークル状の赤血球がバナナのような形に変化してしまう鎌状赤血球貧血症とポケモン遺伝子との関連が報告された。
鎌状赤血球貧血症とは赤血球が鎌状(バナナ形)に変化することで酸素を運ぶ働きが低下し、貧血になりやすくなる病気だ。
このようにポケモン遺伝子の研究は「進化」を続けている最中だ。
ちなみにポケモンの他にもピカチュリンやセガのゲームを思わせるソニックヘッジホッグも存在し、遺伝子の名前はきらきらネームよりも多様なのだ。
取材・文 山下 祐司
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