オシッコ発電に羽根のない風力発電! 脱原発の切り札はどれ?

もうすぐ全面解禁となる電力自由化。原発再稼働が進まない中、より安価で安全なエネルギー源を追い求める日本の、近未来エネルギーにせまる。

工樂真澄| Photo by Getty Images

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待ったなしの新エネルギー開発

発電
羽根のない台風発電
【写真提供:株式会社チャレナジー】

 この春の電力小売り自由化に向けて電気の使い方からその供給源まで、いつになく電力への注目が集まっている。

 5年前の東日本大震災以降は原発の安全性が疑問視され、先日も再稼働したばかりの高浜原発に、運転差し止めの司法命令が下ったばかり。エネルギーの9割以上を輸入に頼る我が国は、新たな供給源の発掘が待ったなしの状態だ。

 国も企業も手をこまねいているわけではない。世界を牽引する日本の頭脳と技術力、そして多くの予算が新エネルギー開発に投入されている。

 太陽光発電は言うに及ばず、海の満ち潮を利用した潮汐発電、火山の熱を利用した地熱発電、下水処理した後の下水汚泥を利用した下水汚泥固形燃料、人が動いた振動を利用する床発電など、ありとあらゆるものがすでにエネルギー源として使われている。

 中でも見直されているのが「風力発電」。石油と違って、風がなくなることはない。しかし気になるのは耐久性だ。

 風力発電機が強風で倒れたというニュースは、ちょくちょく耳にする。台風などでは運転をストップ してしまうから、強風では発電できない。もったいない話だ。

 そこで考え出されたのが「台風発電」。台風の莫大なエネルギーから電気を作ろう、という発想だ。動画で確認してもらうとわかるが3本の大きな円柱だけでプロペラがない。だから強風にも耐えるんだな。でもどうやって回っているの?


チャレナジー 垂直軸型マグナス風力発電機 風洞実験用試作機  株式会社チャレナジー

 この次世代風力発電機は「マグナス力」という力を利用している。マグナス力の原理はこうだ。回転している丸い棒を気流の中に立てると、気流が棒の回転に引きずられ棒の周りで圧力差が生じる。

 すると気流の向きに対して垂直方向の力が生まれる。「垂直軸型マグナス風力発電機」では3本それぞれの円柱に力が発生して、全体が回転するということらしい。

 プロペラがないから全方向の風を受けることができ、棒の回転数を変えれば微風での発電もOK。この夏沖縄で行われる世界初の実証実験に向けて、着々と準備が進められている。

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