【あぶない科学実験】頭を燃やせ! 手を燃やせ! 携帯用トイレで燃える人体!

スタントマンが火だるまになっても平気なのは、高分子ポリマーにたっぷり水を含ませて体に塗りたくっているから。それ、オムツとかのやつじゃね?

川口友万| Photo by Masahiko Taniguchi,Hebizo|シリーズ:あぶない科学実験

スポンサーリンク

熱いかと思ったら、冷たくて限界

燃える
チベットのお坊さんのように盛大に燃えるには、勇気もオイルもポリマーも足りない
【撮影:蛇蔵】

燃える
燃えろよ燃えろよ~炎よ燃えろ~

燃える
うわ、冷たい!

燃える
あ~疲れた。これにて終了。スタントマンって、偉いな
【撮影:谷口雅彦】

 周りが一斉に写メを始めた。

「着いた、着いた!」

 イエーイ!

 自分ではどうなっているのかまったく見えないのが残念だが、ギャラリーが爆笑しながら写メしているので、OKだ。

撮れた?

 頭を燃やしながら、カメラの液晶モニターを見せてもらう。何だかロウソクみたいだな。もっとボーボーならないの……あ、もうダメだ!

「ヤケド?」

 つめてえ! 首んとこから中に入った! ふざけんな、あ~いや、くすぐったい、もう! 頭はキンキンするし。かき氷食ったんじゃねえんだからさ、勘弁してよ。ビショビショじゃねえか!

 冬場のスタントシーンは、ヤケドじゃなくて風邪をひく心配があるんだな。

 とりあえず、燃えるスタントがどういうものかは理解した。改良の余地は多いな、これ。

 燃えるトリックは他にもペンタンという沸点わずか36度の石油の一種を使って手を燃やしたり(気化熱により36度以上にならないのだ)、ハンカチに水とエタノールを染みこませて燃やす(エタノールの沸点はハンカチの燃焼温度より低い)などがある。

 衝撃を与えると、一瞬で燃えて消える手品のフラッシュペーパーは綿火薬、紙を硝酸と硫酸に浸してニトロ化する。

 なかなか面白いが、冬場にやるものではない。良い子も悪い子も、真似してヤケドしたり、家が全焼しても、当方は一切知ったことではないのでそのつもりで。

 にしても、こんなロウソク頭じゃ納得できないなと思う。次は全身だな。夏は炎のランナーごっこだ!

取材・文 川口 友万

【了】

1 2 3 4 5
PAGE TOP ↑