『男前アイロン』は何が“男前”なのか?【夢ある機械を作る人々】
アイロンが男前ってどういうことかと伺ってみたら、それは、男前な心意気の人たちが作った、最強スチーム搭載のまさに男前な人のためのアイロンだった!
スポンサーリンク爆発的に売れた、最強スチーマー
――スチーマー? 聞いたことがないです。
「実物をお見せします」
成田さんが持ってきたのは同社の『パワーハンディースチーマー』。強力な蒸気で服のシワを伸ばす。
「スチームの出る距離は80センチくらいあります。結構びっくりするくらい飛ぶんですよ。
他の衣類スチーマーって優しい蒸気がフワフワって常に出ていて、それで衣類を撫でていくんですが、この衣類スチーマーはアイロン面を使わない代わりにパワー勝負なので。
一発やっただけで結構取れます。ちょっとしたシワならこれが1番良いかと思います」
ショットボタンを押すと、蒸気がブシューッ! スモークマシンのようだ。こんな強力な蒸気が必要なのか?
デモンストレーション用にシワシワのシャツを持ってきてもらう。
そこに布を通過、その部分のシワが一瞬で伸びた。
なるほど、このためのハイパワーかと納得。1発でシワが伸びるのだ。大層便利じゃないか。
大手量販店のバイヤーから断トツでいいと太鼓判を押されたそうだが、それも納得。
「ビシッとやるべきところはアイロンでやればいい。
シワは取りたいけど衣類の風合いや生地の質感はちゃんと残したい、というのであれば、スチーマーの方がいいでしょう。
デリケートな、起毛しているものとか、ベルベットとかコーデュロイとかそういうものの毛並みを整えることも、私どものスチーマーならある程度できます。
毛が寝てしまってペシャっとなっている素材は、パワーのある蒸気でないと戻りにくいかと思います。
こういう目的の場合は、5センチから10センチくらい離して蒸気を当てます」
――アイロンよりも簡単でいいな、これ。
シュッとやるだけだもんな。出る蒸気の温度はどのくらいですか?
「吹き出し口付近で70度くらいです。もっと高温にできますが、わざと低温にしてあるんです。
60度以上くらい無いとシワや臭いが取れにくいのですが、熱すぎても生地を傷めてしまう。
さらにこのくらいの温度だと蒸気をあててシワを伸ばしたら、すぐに水分は蒸発して生地が乾きます。
高すぎず低すぎない、ベストな温度設定をしています」
プロのスタイリストも愛用しているというこの衣類スチーマー、通販雑誌で紹介されるや否や大ヒットした。